※画像はイメージです/PIXTA

中国の都市人口の激増ぶりは、世界に類例がありません。そのため、対応するインフラや設備、制度の整備が追い付かず、新たに都市に住むようになった人の多くは、以前から都市に住む住人たちとの大きな格差に直面しているようです。本記事では、香港の金融調査会社ギャブカルのリサーチヘッドであり、米国の米中関係委員会(NCUSCR)のメンバーでもあるアーサー・R・クローバー氏による著書『チャイナ・エコノミー 第2版』(白桃書房)から、中国の都市化と、都市に移住してきた住民たちの生活の実態について解説します。

急速に進んだ中国の都市化の裏側

中国の都市化における問題は、中国の都市住民の生活水準には大きな幅があることだ。古くから都市に住む運の良い人たち(図表2の「登録者」)はきちんとした住宅に住み、公立学校や医療、年金などの社会サービスをすべて受けられる。

 

しかし、地方から移住してきた、あまり運の良くない人たちも2億5000万人(都市人口の3分の1、図表2の「非登録者」)ほどいて、彼らは都市に住んで仕事をしているものの、こうした社会サービスを受けられない。加えて、世帯専用の台所やトイレがないなど、低水準の住宅に住んでいる場合も多い

 

注:非登録者のデータは2014 年以降、公表されていない。 出典:NBS/CEIC.
[図表2]登録状況別の都市人口 注:非登録者のデータは2014 年以降、公表されていない。
出典:NBS/CEIC.

 

過去40年間で、何億人もの中国人が都市部に引っ越してきた。しかし、その多くがいまだに十分な都市生活を送れていない。言い換えると、中国は仕事の都市化には成功したが、国民の都市化には成功していないということだ。

 

この「不完全な都市住民」を完全な都市住民にすることが、次の10年の大きな課題となっている。

 

※WorldBank/DRC2014,5.もっと悲観的な見方では、2010年の人口調査で認識された6億7000万人の都市住民のうち、47%に当たる3億1400万人が都市の「戸口」を持っていないという。WorldBank/DRC2014:89を参照のこと。

 

 

アーサー・R・クローバー

香港金融調査会社ギャブカル

リサーチヘッド

 

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※本記事は、THE GOLD ONLINE編集部が『チャイナ・エコノミー 第2版』(白桃書房)の一部を要約し、制作しました。

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