「生き残るアクティブ型投信」はごくわずか
[図表2]をご覧ください。
まず、【左】のチャートでは、米国の株式投資信託市場のなかで、市場リターンあるいはインデックス・リターンのパフォーマンスを上回ったファンドの割合を示しています。【黄色でハイライト】していますように、10年や20年経ってもインデックスを上回っているファンドは3%程度です。
次に、【右】のチャートは、「長寿ファンド」の割合を示しています。20年間生き残っているのは全体の3割程度です。
景気後退を上手に切り抜けたり、成長する産業や企業を上手に選べるファンドは、ごく一部に限られます。それは、みなさんがご自身で銘柄選択をなさるときも同様でしょう。
「アクティブ型投信」を選ぶ基準は“好きかどうか”
筆者が(勝手に)思う、アクティブ型の投資信託を選ぶためのもっともシンプルな基準は、
です。おそらく、「好き=よく知っている×信頼できる」です。
運用には調子のよいときと悪いときがかならずありますから、そうした波を許容するためには「好き」の感情が必要です。
みなさんには好きなスポーツ選手がいらっしゃるかもしれません。その選手はそれなりに強いでしょうが、「全勝」ではないはずです。負けたらすぐにファンを止める、というわけでもないでしょう。そこには愛着があります。
先ほど「資産運用もプロスポーツ選手と同じく、厳しい世界」と書きました。ぜひ、この機会に、
・運用者や運用会社のこと、人となりやスタイル、歴史などを調べてみてください。
・そして、「好き」になれる運用者や運用会社を見つけてください。
・さらには、「好き」な運用者や運用会社の動向を追いかけてください。
筆者には、「好き」な運用者が何人かいます。「好き」な運用者の考えは、いつ聞いても納得できるものです。よく話を聞いているので、運用成績を見なくとも「いま勝っているかor苦しんでいるか」がわかります。たとえ負けていても「好きなものは好き」であり、信頼に変わりはありません。みなさんもそうした運用者や運用会社を見つけられるはずです。
みなさんがこれから毎月毎月投じられる資金は、みなさん自身やみなさんのお子様・お孫様の将来のために使われます。大事な資金ですから、その前に、運用者や運用会社について、お調べになってください。
重見 吉徳
フィデリティ・インスティテュート
首席研究員/マクロストラテジスト
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