(※写真はイメージです/PIXTA)

港区のとある超高級タワマン。ひとくちに「超高級タワマン」といっても、その部屋の価格帯は、低層階と高層階で大きく異なるという。そんな同じ建物内で巻き起こる階層ヒエラルキーとはいったい……。実態について、住民に話を聞いた。

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港区のタワマンに住むも、劣等感を感じる日々

「せっかく港区のタワマンだし、子供の将来のことを考えてインターナショナルスクールに通わせたのですが、これが大失敗でした……」

 

目の前の女性は力なくつぶやいた。有名私立大学を卒業し、誰もが知るような大企業に務め、港区のタワマンに住んで子供をインターに入れて国際色豊かに育てる――。理想的な人生のように思えるが、実際はそうではないのだろうか。

 

「高層階に住む家との格差がすごくて、毎日劣等感に苛まされています」というか細い声からは決して謙遜ではなく、本音で後悔しているであろうことが伝わってくる。

 

37歳の女性が港区のタワマンに引っ越したのは今年。「港区といっても、高輪だし低層階だから全然大したことないですよ」と話すように、西麻布や広尾のような「本物の富裕層」が住む街と違い、共働きであればギリギリ手が届く部屋もある。

 

購入を決断したのが新型コロナ禍の真っ最中で、不動産価格が現在のように高騰する前でタイミングがよかったことも幸いした。

 

タワマンといっても1,000戸を超えるような大型物件の場合、ファミリータイプだけでなく、賃貸用のワンルームなどの部屋も数多く用意されている。女性が住むタワマンは、ファミリータイプの高層階の部屋は2億円超えのものも多い。

 

年収1200万円の夫が8000万円、年収700万円の彼女がペアローンで4000万円をそれぞれ借り、彼女は毎月11万円をコツコツと返済しているという。

 

決して楽な生活ではないが、夏冬のボーナスを考えると、多少のゆとりはある。そうしたなか、彼女が考えたのが子供をインターナショナルスクールに入れることだった。

 

インターの学費は月々25万円程度だが、港区の補助もあり、実際に払うのは月15万円程度。実家からの資金援助もあり、なんとか通わせることができたという。

 

「吸収力が早い子供のうちに英語を身に着けさせるのが効率的」という彼女の期待どおり、まだ3歳の子供は通って半年ほどで英単語を話すようになったという。

 

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