新制度、実際どれくらい「節税」できるの?
――だいたいの仕組みはわかったんですけど、実際どれくらいの節税になるんでしょうか?
黒「そこが気になるところですよね。シミュレーションしていきましょう。固定資産税の計算は[前掲図表2]のとおりですので、たとえば課税標準額が1,200万円のとき、通常の場合と特例が適用された場合の計算は、それぞれ下記のようになります。
■通常支払う固定資産税
……1,200万円×1.4%=16万8,000円
■新制度適用後
……1,200万円×3分の1×1.4%=5万6,000円
通常支払う固定資産税は16万8,000円ですが、新制度適用後は5万6,000円になります」
――10万円ほどの節税になるんですね。
保有している固定資産の規模によっては、そこまでメリットがない可能性も…
黒「ただ、保有している固定資産の規模によっては、そこまでメリットがない可能性もあります。
たとえば、工場などの場合は固定資産がたくさんあるので、その分課税標準額が多いため、この制度の恩恵は大きくなります。しかし反対に、固定資産が少ない事業者の場合は減税される金額も少ないため、メリットは小さいといえます。たとえば課税標準額が210万円の場合、
■通常支払う固定資産税
……210万円×1.4%=2万9,400円
■新制度適用後
……210万円×3分の1×1.4%=9,800円
このように、約2万円分の節税にしかなりません」
――うーん、計画書を作ったり申請したり、いろいろな手間を考えると、逆に損になるくらいの金額ですね。
黒「はい。ですので、申請を考えている方はご自身の事業規模なども考慮しつつ、検討することをおすすめします」
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黒瀧 泰介
税理士法人グランサーズ共同代表/公認会計士・税理士
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