米ドル/円の「歴史的円安」続くが…為替のプロが「1ドル151円→147円」の円高を予想する理由

11月14日~20日の「FX投資戦略ポイント」

米ドル/円の「歴史的円安」続くが…為替のプロが「1ドル151円→147円」の円高を予想する理由
(※画像はイメージです/PIXTA)

足元の米ドル/円は、昨年10月の151.9円に迫るなど、円安相場が続いています。そのようななか、マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏は、足元の「1ドル151円台後半」はテクニカルの面から重要な分岐点であり、場合によっては一気に「1ドル147円」程度まで急速に円高が進む可能性もあるといいます。その根拠とはなんなのか、詳しくみていきましょう。

11月14日~20日の「FX投資戦略」ポイント

〈ポイント〉

・先週の米ドル/円は5営業日続伸で151円台後半まで上昇。

・151円台後半はテクニカルな重要分岐点。米ドル高・円安がここで止まるか一段と広がるかは、米景気減速を受けた米金利低下、そして円安阻止介入の有無などが鍵。

・今週の米ドル/円は147~153円中心で米ドル高値波乱含みの展開を予想。

先週の振り返り…米ドル、5営業日続伸で151円台後半へ

先週の米ドル/円は5営業日続伸し、151円台後半まで上昇しました。前の週に、151.7円から149円割れ近くまで米ドル急落となった分を1週間でほぼ取り戻した形です(図表1参照)。

 

出所:マネックストレーダーFX
[図表1]米ドル/円の日足チャート(2023年8月~) 出所:マネックストレーダーFX

 

そんな先週の米ドル/円反発の特徴は、日米金利差からかい離が目立ったということでした(図表2参照)。

 

出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成 
[図表2]米ドル/円と日米10年債利回り差(2023年4月~) 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成 

 

先週、米経済指標で注目度の高いものは特段ありませんでした。しかし、前の週の米雇用統計などが予想より弱かったことから、米金利低下となった動きは基本的に引き継がれました。ただ、米金利低下に対する米ドル売りの反応は鈍く、上述のように米ドルは1週間を通じてじりじりと上昇する展開が続く結果となったわけです。

 

日本の通貨当局による「円安阻止介入」への警戒感は漂い続けましたが、米ドル買い材料は特段見当たりませんでした。そのようななか、介入を試すような米ドル買いが続くうちに、結果としてこの間の米ドル高値である151.7円目前まで米ドル高・円安に戻ったということでしょう。

米景気の動向を確認できる経済指標に注目

今週は、先週とは打って変わり、注目度の高い米経済指標発表が相次ぐ見通しとなっています。なかでも、15日予定の米10月小売売上高など、米景気の動向を確認する指標に注目が高まるでしょう。

 

今週発表予定の米経済指標の具体的な予想などは以下のようになっています。

 

■14日

 10月CPI総合=前回3.7%、予想3.3%

 同コア=前回4.1%、予想4.1%

 

■15日

 10月PPI総合=前回2.2%

 同コア=前回2.7%

 10月小売売上高=前回0.7%、予想-0.4%

 10月NY連銀製造業景気指数=前回-4.6、予想-2

 

■16日

 10月フィラデルフィア連銀景況指数=前回-9、予想-11.5

 10月鉱工業生産指数=前回0.3%、予想-0.3%

 

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