(写真はイメージです/PIXTA)

2023年9月のASEAN主要6ヵ国の貿易統計を見ると、減少幅は縮小したものの、輸出は7ヵ月連続の前年割れとなりました。本稿ではニッセイ基礎研究所の斉藤誠氏が、ASEAN各国の貿易統計を基にASEAN主要6ヵ国の貿易状況と今後の見通しについて解説します。

マレーシア

マレーシアの9月の輸出額(通関ベース、ドル換算)の伸び率は前年同月比16.2%減(前月:同21.3%減)の265億ドルと低迷、7カ月連続の前年割れとなった(図表7)。

 

輸出の基調は昨年半ばまでコロナ禍で停滞した経済活動の再開や電気電子製品、石油ガス製品の需要拡大を追い風に増加してきたが、その後は世界的な需要減退と商品価格の下落により伸び悩み、年明けから減少傾向が続いている。

 

また輸入額も前年同月比13.7%減(前月:同23.7%減)の213億ドルと減少した。結果として、貿易収支が+52.4億ドルの黒字となり、黒字幅は前月から15.1億ドル拡大した。

 

輸出を品目別にみると、全体の約4割を占める機械・輸送用機器は同8.2%減(前月:同17.5%減)となり、主力の電気・電子製品(同8.1%減)を中心に2ヵ月連続で減少した(図表8)。

 

また鉱物性燃料は同36.9%減(前月:同36.1%減)となり大幅な減少が続いた。鉱物性燃料の内訳をみると、石油製品(同39.6%減)と天然ガス(同39.6%減)、原油(同16.4%減)が揃って減少した。

 

このほか、コロナ特需が終息したゴム手袋(同23.5%減)や動植物性油脂(同36.9%減)、化学製品(同17.8%減)なども低迷した。

 

 

インドネシア

インドネシアの9月の輸出額(通関ベース)は前年同月比16.2%減(前月:同21.2%減)の207億ドルとなり、4ヵ月連続で減少した(図表9)。

 

輸出は昨年半ばまでコロナ禍からの経済活動の再開や商品市況の高止まりにより好調が続いたが、その後は海外経済の減速や石炭およびパーム油などの主要商品価格の下落により鈍化し、今年3月から減少傾向にある。

 

また輸入額も前年同月比12.5%減(前月:同14.8%減)の173億ドルとなり、4ヵ月連続で減少した。結果として、貿易収支が+34.2億ドルの黒字となり、黒字幅は前月から3.0億ドル拡大した。

 

輸出を品目別にみると、全体の9割を占める非石油ガス輸出が同17.7%減(前月:同21.3%減)、石油ガス輸出が同11.6%増(前月:同20.7%減)となり、それぞれ低迷した(図表10)。

 

非石油ガス輸出では鉱産物(同32.3%減)や動植物性油脂(同23.5%減)、プラスチック・ゴム製品(同15.6%減)、機械(同11.9%減)、電気機械(同13.7%減)、自動車同部品(同7.4%減)、織物類(同9.7%減)など減少した品目が多かった。

 

一方、鉄・鉄鋼製品(同8.6%増)や真珠・貴石・半貴石(同36.3%増)については増加した。

 

 

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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2023年11月7日に公開したレポートを転載したものです。

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