相手は“ただ聴いてほしいだけ”のこともある
相談をされたとき、アドバイスはかならずしも必要ではありません。もしかしたら、相手はただ自分の話を聴いてほしいだけかもしれないのに、よかれと思って、「じゃ、こうしたら?」「こうしたほうがいいよ」と言ってしまっているケースは多々あります。これは、男女間、パートナー間でもよく耳にする問題です。
ただ聴いてほしいのに、話の途中で解決策ばかり言われてしまうと、「いまは、そんなことを求めているわけじゃないのに……」というすれ違いが生まれてしまうのです。さらに悪いことに、アドバイスが「これができていないからじゃない?」「あれをやっていないからじゃない?」というダメ出しになってしまっていることもあります。長すぎるアドバイスは、説教になることもあるので、とくに注意が必要です。
とくに、パッとひらめいて話し始めてしまうタイプの人は、相手が話している途中でも、被せて話し出してしまいます。でも、まずは最後まで話を聴いてほしいという人のほうが多いものです。相手の話を聴くように心がけましょう。
相手の話が長すぎるときに効果的な対策
一方、相手の話が長すぎて、機関銃のように止まらないケースもあります。
聴き手側も、ただ長話になってしまうのは避けたいものですよね。そのようなとき、わたしは相手の名前を呼びかけます。
たとえば、「〇〇さん。話を正確に理解するために、1回確認していい?」「〇〇さんの話はこういうことかな。整理していい?」と名前を呼ぶと、相手がこちらに注目してくれることが多いのです。
「ちょっと待って」と言わず、「〇〇さん、ちょっといい?」といったように声をかけてみませんか? そして、あなたの話を正確に理解するためだと伝えて、話を止めることがポイントです。
長い質問をする人、ずっと話している人への効果的な提案
講座は研修時には、次のような人に困惑する講師が少なくありません。
・講座の流れが止まるような長い質問をする人
・10分休憩の最中に、質問攻めにする人
・講座の主催者が片づけ始めても、ずっと話している人
まわりが見えなくなっているために、後ろに人が待っていても構わない人もいます。その場合、講師側で時間をいったん終えなくてはいけません。
もし研修後に多少時間のゆとりがあるのなら、
「休憩時間中なのでごめんなさい。限られた時間なので、いったん終えて、講座後にもう1回話を聴いてもいいですか?」
と提案することもあります。
もう帰らなくてはいけない、会場を閉めなくてはいけない、タイムリミットだというときには、
「申し訳ないのですが、ここまでの話のなかでは、わたしは〇〇だと理解しました。この後は□□の事情があるので失礼しなければいけません。ここまでになりますがよろしいですか? 本当にごめんなさい」
こう言って打ち切るときもあります。
講座の例を挙げましたが、仕事やプライベートでも同じように対応策を考えることができます。たとえば、
「次の予定があるので、改めて〇時以降に時間をとって聴きたいのですが、いいですか?」
と言って、別途時間をとることも一案です。