失われた30年…“世界の劣等生”であり続けた日本
このように世界的な不安の種が大きければ大きいほど、日本の明るさが浮上する、という珍しい事態が起きている。
過去30年間日本は世界の劣等生であり続けた。世界で唯一長期デフレに陥り、名目GDPは30年間の長きにわたって500兆円強と横ばいで推移し続けた。世界で唯一30年にわたって賃金上昇が止まり、韓国にも追い抜かれるという有様であった。
世界株式のバスケットであるMSCI ACインデックスのなかで、かつて40%を超えていた日本の比率は5%とほぼ10分の1まで低下した。
この間世界の投資家は日本株を売り続け、日本株比率を引き下げれば運用競争に勝てたのである。日本人だけでなく、世界の投資家にも日本軽視、日本無視の態度が染みついてしまっている。
その日本が突如として世界最高ブライトスポットになりつつある。[図表2]はTOPIX対S&P500指数の倍率であるが、1990年に8.3倍でピークをつけたあと、急低下し2022年初に0.42倍まで低下して大底をつけた模様である。
その後急伸し、現在は0.54倍となっている。この日本の変化が持続性があると信じていいのか、世界の投資家は耳目をそばだてている。
アベノミクス以降、大きく体質を改善させた日本企業と日本経済
いったい日本になにが起きたのであろうか。2つの大変化に注目するべきである。第1は主体的変化である。
2013年以降のアベノミクスの時代に、日本企業と経済は大きく体質を改善させた。企業は改革と新ビジネスモデルの構築により、利益率は2倍になり、過去最高利益を更新し続けている。
公的年金GPIFの運用益は108兆円と4倍増となった。税収は10年間で7割増となった。遅れていた賃金上昇も始まり、2%インフレが視野に入りつつある。
多くの日本企業は物まねではない独創的なビジネスモデルを打ち立て、企業統治の改革が大きく前進し、株主の要請にこたえうる収益力を確保するに至っている。この企業で形成された価値は、いまのところ潤沢な内部留保として、退蔵されている。
この企業に滞留する所得の還流を促進するべく、岸田政権は、貯蓄から投資へという好循環を引き起こす、新しい資本主義政策を遂行している。
①賃金引上げ促進
②PBR1倍以下企業の是正措置要求、自社株買い、増配促進等利益還元の誘導
③NISA改革など投資促進
により、日本株の株式需給は大きく改善されるだろう。
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
注目のセミナー情報
【税金】11月27日(水)開催
~来年の手取り収入を増やす方法~
「富裕層を熟知した税理士」が考案する
2025年に向けて今やるべき『節税』×『資産形成』
【海外不動産】11月27日(水)開催
10年間「年10%」の利回り保証
Wyndham最上位クラス「DOLCE」第一期募集開始!