日経平均株価を大暴落させた3つの要因
日経平均株価は7月11日に史上最高値42,224円を付けた後“つるべ落としの下落”となり、8月5日には31,458円と、わずか1ヵ月足らずで25.5%の暴落となった。
この背景には、3つの要因が指摘されている。
第1は、世界的な株価調整である。米国株式(SP500)は年初来で20%上昇した後6%下落した。NASDAQも年初来26%上昇の後10%の下落となったが、これは循環的調整の範囲内の動きといえる。
共和党大統領候補トランプ氏の銃撃事件、共和党大会におけるトランプ氏の大統領候補決定、バイデン大統領の立候補辞退というタイミングで米国株式のリード役が変わり、大手ハイテク株が売られる一方、減税や規制緩和など、トランプ氏の政策の恩恵を受ける小型株やエネルギー株に資金を集まった。
また、FRBが求め続けてきた米国景気減速と利下げが視野に入り、米国経済ハードランディング説も取りざたされ始めた(その可能性はごくわずかだと考えるが)。
第2に、円高への急進展で、円安・日本株高に賭けていたヘッジファンドが円キャリーポジションの巻き戻しを迫られ、円売りとペアで買い建てていた株式先物を売り込んだ。政府日銀の介入と相次ぐ政治家の「円安阻止のために利上げをすべし」との発言が為替市場の潮目を変えた。
そして第3に、日銀の意表を突く利上げにより日本のマクロ経済政策に対する不透明感が一気に広がった。政策当局に対する信認が大きく崩れ、利上げ後の2日間で日経平均株価は8%の大幅下落となるなど、日本株式の独歩安が鮮明である。
以上3つの要因のうち、日本株の突出した下落が「日銀の利上げ」に端を発していたのは明らかである。
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