政治も、経済も“いま、もっとも明るい”日本
日本は政治においても、経済と株式においても主要国のなかでもっとも明るい国といえるのではないか。岸田政権の支持率が大きく低下しているとはいえ、弱体な野党に助けられて政権基盤は盤石である。
経済においても、IMFが10月の世界経済見通し(2023年)で日本を2.0%と4月時点の1.3%から上方修正した。中国、ユーロ圏の下方修正のなかで日本経済の好調さは際立っている。
それは年初来10ヵ月間の株式のパフォーマンスにも表れている。日経平均株価の+23%は、米国S&P500+14%、ドイツDAX+8%、英FT100.0%、中国上海総合-2%、韓国総合+6%、台湾加権+17%と主要国株価のなかで突出している。
一方、混迷を極める世界情勢
一方、目を世界に転ずれば株式投資環境は良好とは言い難い。まず地政学情勢が混迷の度を極めている。
米中対立と中国による台湾侵略可能性の高まり、ロシアによるウクライナ侵略、ハマスによるイスラエル攻撃とイスラエルの反撃等、戦後の民主主義、国際法に基づく国際秩序は大きく揺らいでいる。
米国のプレゼンスの低下が大きい。オバマ政権が米国は世界の警察官の任には堪えられないといい、トランプ政権はMAGAを唱えて同盟軽視を強めた。中国が異例のスピードで軍事増強を進めるなかで、米国防衛予算は、米ソ冷戦末期のレーガン時代の対GDP比7.7%から2022年には3.6%と半減した。
背景にある「先進国の社会分断」と歴史問題
各国国内の政治情勢も、分断とポピュリズムの高まりが顕著である。欧州では反移民を掲げる右派ポピュリスト政党が台頭している。米国でも中間層の没落と左右の対立、共和・民主両党内での求心力の低下と議会の機能不全化、など2024年大統領選挙を前に、政治の不透明性が高まっている。
この欧米先進国の国内分断の背景には、各国が奴隷制や植民地支配により世界を制覇してきたことの負の遺産という、いわば歴史問題としての側面がある。
日本では中国、韓国など周辺国とのあいだで過去の戦争や植民地支配にどう向き合うかを問われる歴史問題が摩擦の種となってきた。それはより大きなスケールで欧米諸国にのしかかり、政治安定や経済成長の制約要因になりつつある。その深刻さは日本以上のものかもしれない。
経済面では世界の工場である中国でバブル崩壊が不可避となり、急減速の心配が出てきた。金融緩和が効かない典型的流動性の罠に陥りつつある。ユ―ロ圏経済もロシア依存度を強めすぎたエネルギー供給の脆弱性や対中貿易赤字の急拡大など困難が強まっている。
当面想定外の強さを謳歌する米国経済も、FRBによる大幅な利上げの影響が顕在化し減速は避けられないであろう。
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