今週の注目点…大量の「米ドル買いポジション」手じまいは?
米ドル/円が一時151円まで上昇したなかで、為替市場のポジションは大きく米ドル買い・円売りに傾斜している可能性が高いでしょう(図表6参照)。金利差の変化などから米ドル/円の下落リスクが高くなった場合、米ドル買いポジション手じまいも注目されます。
1年前の11月は、米CPI(消費者物価指数)発表をきっかけに1日で146円から140円まで米ドル/円が急落する「CPIショック」が起こりました。これは、大量の米ドル買いポジションが「少しでも米ドルが高いうちに売ろう」とする動きを加速させたと見られ、その後の米ドル一段安を後押ししました。
米景気の減速とそれに伴う米金利低下の可能性が出てきたことで、大きく米ドル買い・円売りに傾斜していると見られるポジションの手じまいは、今後米ドルの上値を抑制するとともに、状況次第では米ドル下落(円高)を加速させる可能性があります。
以上を踏まえると、今週の米ドル/円は147~151円中心のレンジで予想したいと思います。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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