プラスサム型の株式投資とゼロサム型のFX投資
不動産投資・土地活用投資といった実物不動産から得られる賃料を狙う投資と、株式投資の違いを考えてみよう。
まず、資産価値の観点から考えてみる。
上場している株式の資産価値(REIT・ETF含む)は、言うまでもなく相場により上がったり下がったりする。しかし、長期的に考えれば世界経済は(何十年かに一度大きなショックがあるが)、基本的にはゆっくりと右肩上がりだ。ETFにあるような、世界株式インデックスファンドなどは、超長期的に保有すれば必ずプラスがでるだろう。
もちろん、投資の世界に「必ずプラス」は存在しない。しかし、世界各地の国々の株式に分散していれば、限りなくリスクは抑えられる。万が一、世界経済全体の落ち込み続くことは、大げさに言えば、現在の資本主義経済の崩壊ということになるので、それはそれで別の悲劇が待っている。このように株式投資はプラスサム型の資産である。
逆にFXなどの為替相場は、誰かが得すれば誰かが損する、ゼロサム型の投資であるから、得するか損するかは、賭けに近く、バクチ的なモノと言える。
一方、建物を伴う不動産の「建物資産価値」は、基本的には年々下がるものとされている。建物が経年とともに劣化していくからだ。しかし、都心の一等地に建つマンションなどは、築30年を超えても値上がりしている物件もあるから、「年数が経てば不動産価値が下がる」はあくまで一般論だ。
借入金で投資できるのが不動産投資の最大のメリット
不動産投資・賃貸住宅投資の株式投資と大きく異なるメリットは、「お金を借りて投資ができる」ということだ。株式投資・各種ファンド、国債などの購入においては、基本的には一般の投資家がお金を借りて購入することはできない(近年、だいぶん広がってきているが、信用買いは特定の投資家のみ)。
不動産は銀行からお金を借りて投資ができるのだ。調達金利は居住用住宅の購入の際ほど低金利ではないが、それほど大きな差ではないので、なるべく多く借りたほうが少ない元手で大きな投資ができるということになる。
借入の割合をLTV(LOAN TO VALUE)と呼ぶが、全額ローンLTV=100%可能な物件を見つけて不動産投資している投資家も少なくない。
このようにお金を借りて投資できる(他人のお金で投資ができる)というメリットが不動産投資にはあるのだ。