相続税制の改正で高まる「土地活用」への関心

今回は、「土地活用」に対する関心が高まる契機となった、相続税制の改正についてお伝えをします。※本連載は、社団法人住宅・不動産総合研究所理事長の吉崎誠二氏の著書、『データで読み解く賃貸住宅経営の極意』(芙蓉書房出版)の中から一部を抜粋し、「土地活用」に関する基本事項を解説します。

相続税「基礎控除額」の4割減がひとつの契機に

昨今、「土地活用」という言葉は、かなり一般的になってきた。

 

簡単に言えば、所有する土地(主には使っていない土地)を有効活用して、賃料収益を得ようとすることだ。最近ますます一般化してきている背景には、2015年1月に改正された「相続税」と大きく関係がある。

 

相続税制度の変更において、土地活用・賃貸住宅経営に係る部分を簡単に説明しよう。

 

まず、基礎控除の計算方式が2015年1月以降、それまでの「5000万円+法定相続人×1000万円」だったが、「3000万円+法定相続人×600万円」と大きく減額された。基礎控除を上回る分に相続税がかかるので、控除の減額は、これまでよりも多くの方々が相続税を支払う対象者となる可能性をもたらす。また、相続金額2億円を超える法定相続人に対する課税が引き上げられた。

評価額を最大80%減額する「小規模宅地の特例」

あわせて、「小規模宅地の特例」も改正された。

 

小規模宅地の特例とは、「被相続人または被相続人と生計を同一にしていた被相続人の親族(妻など)の事業用または居住用に使用していた土地で、要件を満たす場合は、限度面積までの部分について、評価額を50%~80%減額する事ができる」ということだが、改正により、評価の減額が行われる限度面積と適用面積の拡大が行われた。

 

限度面積は、それまで「240㎡(減額80%)」だったのが、改正後は「330㎡(減額80%)」に拡大適用された。

 

また、居住用と事業用の宅地等を選択する場合の適用面積が拡大された、それまで、特定居住用宅地等240㎡特定事業用等宅地等400㎡の内、合計400㎡まで適用可能という限定的な適用だったのが、改正後は特定居住用宅地等が330㎡に拡大され、合計適用面積も最大730㎡となり、それぞれの限度面積まで完全に適用できるようになった(各種特例適用を受けない場合に限られるなど、適用外のこともあるので、詳細は必ず税理士にご相談を)。

 

このように、相続税は実質増税となったが、特例を活用することで大きく節税ができる。条件を満たせば、更地のままで相続すると、評価額を下げることなくそのままの税金がかかるが、例えば賃貸住宅などを建築して事業用に使用していた土地として相続すると、相続税評価額が減額できるということだ。

 

こうした背景から、収益目的の土地活用だけでなく、相続税対策としての土地活用がクローズアップされている。

社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長 不動産エコノミスト

早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。(株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者、その後、ディー・サイン不動産研究所 所長を経て、現職。企業向けコンサルテーション、データ分析、市場予測などを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。

著書:「データで読み解く 賃貸住宅経営の極意」(芙蓉書房出版)、「2020年 大激震の住宅不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを買える人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。

公式サイトhttp://yoshizakiseiji.com/

著者紹介

連載これだけは知っておきたい「土地活用」の基本

本連載は、2016年2月15日刊行の書籍『データで読み解く賃貸住宅経営の極意』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

データで読み解く 賃貸住宅経営の極意

データで読み解く 賃貸住宅経営の極意

吉崎 誠二

芙蓉書房出版

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