根元で固定する増毛法は、地毛が伸びてきたら厄介
私は、髪が薄くなったとき、ある育毛サロンで1回、増毛を試したことがあります。
増毛にもいくつか方法はありますが、いちばんポピュラーなのは、自分の地毛に増毛する髪を結びつけるやり方です。自分の本物の毛の根元に、たんぽぽの綿毛のように枝分かれした増毛を、がっちり結びつけて、たとえば1本の毛を3本に見せるわけです。
女性がまつげに施すエクステみたいなものですね。
手間がかかりますから、1日に施術できるのは数百本から数千本。それを何回かに分けて施術するのです。私は、これに何十万円か払いました。
ところが、たしかに髪が増えたように見えるこの方法にも、大きな問題がいくつかありまして……。
そもそもこの増毛法は、結び目がゆるいと取れてしまいますから、ガッチリと固定されていて、結び目がずらせないのです。
だから、ブラシでグイグイ髪を梳とかすのはご法度です。
そして、髪の毛が伸びてきたらどうなるのかが、もっと問題です。
増毛しても、髪の根元のほうは1本のままなので、そのまま伸びていけば下のほうのボリュームがなくなります。毛先だけが“竹ぼうき”のようにブワーッとふくらんでしまうわけです。
抜けた髪の形は、まるで「鳥の足」!?
さらに最悪なことには、その増毛した髪も、いつかは抜けます。
そのとき、抜けた髪の形が“鳥の足”のように枝分かれしていますから、落ちている毛を見た人は、「おやっ?」と思うでしょう。
自宅ならまだしも、会社でこれが落ちてたら、もうマイッちゃいます。
(お、落ちてるよ……。これ、俺のだってバレバレじゃん)と戦々恐々。人目を避けながら、急いで“落穂拾い”をするはめになります。
そして、極めつけは費用対効果が低いこと。また増毛したいと思ったら、エクステのやり直しになるからです。
それを繰り返さないといけないわけですから、よほどお金のある人でないと、増毛してコンスタントにフサフサでいることは難しいわけです。