FIREに踏み出すための5つの準備
経済的自立(FIRE)に踏み出すために、5つのレディネスを整える必要がある。その全体像をまとめたのが図表である。
準備1:情熱
この中でいちばん重要なものは《①情熱》である。経済的自立は手段であり、目的は「あなたがやりたいこと」「あなたが成し遂げたいこと」をやれるようにすることである。
「朝起きるのが楽しくてしょうがない。早く自分がやりたいことをやりたくて、目覚まし時計より早く起きてしまう。そして気づけば1日が終わっている。寝るときは朝起きたときより、もっと興奮していて、早く明日の朝にならないかなと思いながら眠りにつく」
今の自分はどうなのか? 自分が何をやっていたら、このような毎日を感じられるか? そういう世界に行きたいと強く想う、その情熱が経済的自立を実現する強い原動力となる。
準備2:行動
一方、情熱は重要だが、これだけでは何も起こらない。冷静な《②行動》をあわせて起こす必要がある。
情熱から出てくるものは、一般的には曖昧な概念であるケースが多い。それを概念のままにしておくと、何も行動ができない。まずは、それを具体的なことが考えられる粒度に分解する必要がある。分解した中で今すぐできそうなことがあれば、具体的な行動に移す。そして、その行動から学びを得ていく。
ここで大切なことは、もともとの情熱を忘れないことである。往々にして、分解して物事を考えると、その分解したものが目的化し、そもそも何のためにやっていたのかが、わからなくなることがある。何を自分がやりたいか、成し遂げたいか、そのために具体的な行動をしていることを忘れてはいけない。
■【ケース1】量子コンピューティングからYouTubeで大儲けしたA男
具体例を挙げる。A男は、量子コンピューティング※1の魅力に取りつかれ、これがあれば世の中を大きく変えられることを確信している。世の中を変えるためには、まず人々の認識を変える必要があり、その観点で、量子コンピューティングをわかりやすく世の中の人に理解してもらうこと、それを自分のライフワークとしてやろうと決心した。
さっそくこの情熱を分解して、「プロモーション手段」「自分ブランディング」「企業との連携」の3つに分け、具体的に考えはじめた。
その中ですぐできることとして、「YouTuberになろう!」と決意。そしてYouTubeで量子コンピューティングのチャンネルをつくり、世の中がどう変わるのかを小学4年生にもわかるように解説した。いかにも世間受けしなさそうなコンテンツだが、なぜか女子高生のあいだでバズり、それを起爆剤にチャンネルの登録者数が短期間で激増した。
「YouTubeってこんなに儲かるのか!」
いい気になったA男は、『あなたもYouTuberになって大儲けする10のステップ』という本を出し、これも売れなそうだがなぜか大ヒットして、さらにたくさんお金も稼げた。めでたしめでたし(この話はフィクションです)。
「A男、お前はそもそも何をやりたかったんだ。お前の情熱は、なんだったんだ」
このようなパターンに陥らないように、情熱から行動につなげるときには注意が必要である。
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