株価は非常に多くの要素が影響して決まるものです。そのため、株価を予測し値上がりする企業を見定めることは至難の業でしょう。では、バフェット氏のように毎年成果を出し続けている人はどのように株式投資を行っているのでしょうか。本記事では、多摩大学大学院MBA客員教授・前田英志氏の著書『お金から自由になる人生の設計書』(ごきげんビジネス出版)より、未来を予測するためのデータの応用と値上がりする企業の見定め方について解説します。

いいポートフォリオの組み合わせ方とは

日々市場では、さまざまなことが起こっている。そして、そのなんらかの変化に反応して株価は変動する。以下は、図表1の業種ごとの高配当企業の株価が、前月と比較して上がったか(↑)、下がったか(↓)を時系列で示したものである。図表2がコロナ前の平常時、図表3がコロナ時である。

 

※2022/8/22時点の配当利回りの降順
[図表1]業種ごとの高配当企業の変動係数(平常時、コロナ時) ※2022/8/22時点の配当利回りの降順

 

[図表2]業種ごとの高配当企業の株価推移(平常時)

 

[図表3]業種ごとの高配当企業の株価推移(コロナ時)

 

ここで私が着目しているポイントは、上がると下がるのパターンである。平常時のコナカとあおぞら銀行のように、同じようなパターンで上がる・下がるをくりかえしている企業の組み合わせがある。一方、コロナ時のタマホームと日本建物のように、上がる・下がるを異なるパターンでくりかえす企業の組み合わせもある。

 

このパターンを元に、企業群を4つのグループに分類したのが次の図表4である。各グループは、マーケットの変化に対して同じように反応する企業群である。リスクを軽減するためには、「関係」の項で述べたとおり、マーケットに対して異なる反応をする企業を組み合わせることが有効である。この場合、グループ1から4までを組み合わせることで、リスクを大きく下げられる。

 

[図表4]業種ごとの高配当企業の株価変動パターンに基づくグループ分け

 

具体例を見てみよう。各グループから最もリスクの高い企業を、それぞれ1社選別(該当企業は図表4内に★Risk Highestと表示)する。その合計4社でポートフォリオを組み、リスクがどうなるかを検証した。結果は以下である。

 

[図表5]各グループで最もリスクが高い企業とその4社を組み合わせたケースの変動係数

 

株価変動の特性が異なる企業を組み合わせることで、リスクが半分から3分の1以下になっていることがわかる。これはひとつのシンプルな例であるが、このようにうまく分類することで、自分自身でリスクヘッジの方法を考えていけるようになる。ぜひご自身で挑戦いただきたい。

 

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