ビジネスや投資において、データの応用は非常に重要です。感覚ではなく、数字化して理解することでリスクを未然に防いだり、ベターな選択ができたり、問題が起きても適切な解決方法を選んだりすることができると、多摩大学大学院MBA客員教授・前田英志氏はいいます。本記事では、同氏の著書『お金から自由になる人生の設計書』(ごきげんビジネス出版)より、ビジネスや投資におけるデータの活用の重要性について解説します。
データをビジネス・投資に応用する型
今回は、「データをビジネス・投資に応用する型」について述べていく。起点を具体的なビジネスや投資のシーンとして、どういうことはデータや統計手法を用いて解けるのか、そのつながりを型として身につけていただく。
今ビジネスでデータを用いている人は、そのスキルを投資にも応用できると理解いただきたい。そして、その反対も同様である。
また、ビジネスでも投資でもデータを用いていない人。あなたはラッキーである。本記事ではビジネスと投資にデータを応用する型を、ここで同時に学ぶことができる。
テーマは、ビジネスと投資に共通して応用できる、基礎統計の重要な4領域(変動・関係・分類・予測)を対象としている。この4つの各シーンに遭遇した際に、「こういう統計手法を使えば、この問題は解ける」という発想が自然とできるようになっていただきたい。
テーマの一覧は以下である。なお、投資シーンとしては株式投資を対象とする。なお、本記事では統計の基礎の説明は行わない。
「変動」に統計で対応する方法
ビジネスでも投資でも、変動は敵である。常に平均的に物事が起こっていれば、その対処は平易である。平均の値だけを見ていればよい。ただ残念なことに、ありとあらゆることに変動はつきものである。
そしてなぜか、より魅力があるもののほうが、その変動は激しくなる。たとえるなら、「女心と秋の空」であろうか。魅力的な女性ほど、その心が変わりやすいと感じるのは、男性読者の多くに賛同いただけるのではないかと思う。
その変わりやすいものを、統計を用いてどう対応していくかを見ていこう。まずはビジネスの舞台として、品切れで大混乱しているレストランに着目する。事業の責任をもつ常務執行役員と、大学院でデータサイエンスを学んだ新入社員・綾小路美来が、どう対応するかを見てみよう。
フィンファイ株式会社創業者 兼 代表取締役社長
多摩大学大学院MBA客員教授
経済的自立請負人、データの専門家、投資家
幼少よりお金とは縁がなく、塾も、私立の学校も、外国へ旅行することも、叙々苑も、グッチも自分には縁がないものという世界で育つ。しかしながら、それに不満を感じたことは一度もなかった。
ただ、その反動か、社会人になってからお金に対する潜在的な不安を常に感じていて、1年目から会社の持ち株の積み立てなど、手取りの2割~3割を貯蓄・投資にまわすことを誰に教わるでもなく、自分の本能でやっていた。そして、社会人10年目には都心にマンションを現金で買えるくらいまでになった。
その後、投資にのめりこみ、当時はやっていた和牛商法にはまりそうになり、そして六本木系の新興企業への株式投資で大きな損害を出した。
この経験より、「うまい儲け話にはのってはいけないこと」そして、「投資は人にまかせてはいけないこと」がわかった。それを胸に止め、その後10年間ごくまじめに働きながら、データ分析を駆使した独自の株式のポートフォリオモデルを開発して経済的自立を実現した。
ここで得られた知見をもとにした「経済的自立の方法論」を世の中に展開したいと考え、2023年4月に「地球上のすべての個人をお金から自由にして、自分が本当にやりたいことをやれるようにする」ことをミッションとした会社、フィンファイ株式会社を立ち上げ、世の中のすべての人の経済的自立の実現に魂を尽くしている。
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