経済的自立に関する世代別のアドバイス
各世代に向けて経済的自立(FIRE)に関するアドバイスをしていく。世代は、次の5つに分けて考える。
各世代は、それぞれ固有の社会文化環境と生活経験によりかたちづくられている。まずは、ご自身がどの世代なのかを把握していただきたい。以下、世代ごとの経済的自立に向けたアドバイスである。
「ベビーブーマー」から「ミレニアル世代」まで
ベビーブーマー 1946年~64年生まれ
・退職を遅らせて65歳のずっと先までキャリアを続ける人が増えている
・企業で幹部に就いており、新技術の採用や従来のビジネス知識の打破に消極的だと若い世代からよく批判されている*
私の先輩にあたる世代であり、とくに私から申し上げることはない。年金制度の恩恵もあり、多くの方がご自身の生活に合わせた経済的自立を実現できていると考えられる。
より生活レベルを向上したい場合には、本書により投資のスキルを向上いただき、無理せず安全に投資収入を増やすのがよいと考える。ライフステージの最終段階において、ご自身の生活を楽しむとともに、ぜひ若い世代に知恵と、(余力のある方は)お金を分け与えていただきたい。
X世代 1965年~80年生まれ
・労働市場への参入が、インターネットの成長が著しかった時期と重なる
・平均20年の労働経験と強い労働倫理をもち、企業でほとんどのリーダー的役割を占めている
・ベビーブーマー世代が退職を先延ばしし、社内での昇進が難しくなったことに気づいて、40代で仕事を辞め、起業して成功しているX世代も少なくない*
私もこの世代に含まれる。この世代はすでに十分労働をがんばってきており、一方で自分が心からやりたいライフワークが見えてきている世代である。この世代こそ、期間限定・経済的自立を実現して、ご自身のライフワークにチャレンジいただきたい。それが社会に対する恩返しにもなる。
Y世代(ミレニアル世代) 1981年~96年生まれ
・ソーシャルメディアの利用と強く関連している初の世代
・仲間が言うことや買うものに大きく影響を受ける
・所有より体験を好む
・富や資産を蓄積することでなく、人生の物語を集めることに重点をおいている*
この世代は、労働をがんばるべき世代である。ちょうど責任ある仕事をまかされる時期であり、また、そのがんばりが労働収入にも大きく反映される時期でもある。まずは経済的自立に向けた長期的なプランをつくり、資産収入を増やしていく方法は確立したうえで、労働をがんばろう。労働収入を増やすためのリスキリングに注力して、より自分の力を発揮できる環境に身をおき、確実に労働収入を増やしていこう。
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