老人ホームだけじゃない!高齢者向け施設
実は、高齢者向けの施設にはさまざまな種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
・ケアハウス
・シニア向け分譲マンション
・サービス付き高齢者向け住宅
・住宅型有料老人ホーム
・介護付有料老人ホーム
元気なうちは選択肢が多くありますが、将来的にはほとんどの人が認知症になるなどし、介護を受ける可能性があります。したがって、「選んだ施設に最期まで住み続けられるのか? あるいは介護が必要になったら別の施設へ移る必要があるのか?」についてもあわせてチェックしておきましょう。
たとえば、介護付有料老人ホームやサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の一部は「特定施設」のため、介護量が増えても介護サービス費は定額です。そのため予想外に支出が高額になることはありません。
一方、住宅型有料老人ホームや特定施設ではないサ高住の場合、基本の月額利用料・管理費が安く抑えられる反面、介護については“外部サービス”のため、介護量が増えていくにつれ月々の負担額が想定外に膨らむことがあるので注意が必要です。
ただし、介護費用が一定額以上となった場合には超えた分が還付される「高額介護サービス費」という制度を利用することができます(利用するには自治体への申請が必要です)。
すでに認知症の場合は「特養」「グループホーム」がおすすめ
すでに認知症になっている場合は、認知症に対応している特養(特別養護老人ホーム)やグループホーム(認知症対応型共同生活介護施設)などに入所すると安心です。
また、なかには有料老人ホームの近くに特養やグループホームが隣接している法人もあり、認知症や介護度が重度化したら同じ敷地内の施設へ移ることができるケースもあります。
A夫妻もこうしたケースを事前に確認できていれば、「Aさんは高級老人ホームに住みながら奥様は認知症に対応した施設へ移り、いつでも会いに行ける」といった選択肢もあったかもしれません。
まとめ…夫婦で「終の棲家」を選ぶ6つのポイント
Aさんは結局、わずか半年で高級老人ホームを退去。奥様の認知症ケアに特化した施設へ移ることにしました。認知症に対応していて、かつ夫婦で入居できる施設は限られますが、Aさんは最終的に「住宅型有料老人ホーム」で希望の施設を見つけることが叶いました。
しかし、高級老人ホームを退去する際、支払った入居一時金2,000万円のうち一部は返ってきましたが、次の施設でも入居一時金が必要です。足りない資金は、子どもに遺そうと考えていた自宅を売却することで捻出しました。
「終の棲家」を選ぶ際は、Aさんのように独断で探すことなく、あらかじめ夫婦で老後の暮らしについてよく話し合うことが大切です。Aさんが独断で選んだ施設にはキッチンがありませんでしたが、奥様の生きがいであった料理や家事があえてできる環境を選べば、認知症の発症はもっと遅かったかもしれません。
1.住み心地は良いか?(周辺の環境・間取り・プライバシーの確保等)
2.やりたいことや趣味・活動ができるか?
3.予算面に余裕はあるか?
4.認知症、もしくは介護度が重度になった際に住み続けられるか?
5.看取り対応をしているか?(看取り対応の実績があるか?)
6.施設見学・体験入居を行ったか?
入居してみなければわからないことはもちろんあります。しかし、リスクを少しでも減らせるよう、夫婦で「終の棲家」を探す際は上記6つの点を意識しましょう。
武田 拓也
株式会社FAMORE
代表取締役
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