(※写真はイメージです/PIXTA)

年金も預貯金も十分で、夫婦ともに健康な70代。一見なんの心配もなさそうですが、「老後破産リスク」は思わぬところに潜んでいるものです。老後「密かな夢」を叶えるべく、高級老人ホームに入居した元会社役員のAさん(70歳)の事例から、株式会社FAMORE代表取締役の武田拓也FPが解説します。

「理想の暮らし」から数ヵ月…Aさんが気づいた“妻の変化” 

いざ施設に入居してみると、共有スペースはホテルのように豪華で、シアタールームなど夢のような設備もあります。

 

またAさんの夢どおり、2人が暮らす部屋にはキッチンもなく、奥様は毎日やっていた家事から解放。Aさんは大喜びです。待ちに待った「悠々自適なセカンドライフ」がスタートしました。

 

しかし……。入居から数ヵ月して、「妻の様子がおかしい」と感じ始めたAさん。奥様の物忘れがひどく、何度も同じ話をします。一緒に映画やテレビを観ていても奥様は気づくとボーっとしていて、かと思えば怒りっぽくなります。どうやら認知症のようです。

 

A夫妻が入居した施設は認知症に対応していなかったため、介護などについては外部サービスに頼らざるを得ません。月々かかる費用は大幅に増え、Aさんの資金計画は大きく狂ってしまいました。

 

困ったAさんは、子の知り合いを通じて筆者のFP事務所を訪れました。そして憔悴した表情でこう言います。

 

「妻の意見を聞かず勝手に突っ走ったあげく、資金計画が狂ってこのままでは生活できません。もしかしたら、俺が生きがい(料理・家事)を奪ってしまったから、妻が認知症になってしまったのかも……もう遅いかもしれませんが、後悔しています」

Aさんはどうすればよかったの?「老人ホーム」選びのコツ

Aさんのように失敗しないためには、どうすればよかったのでしょうか。実は、老人ホームを選ぶ際にはいくつかの注意点があります。

 

老人ホームは予想以上にお金がかかる

老人ホームでかかる費用には、オプションも含めて下記のようなものが挙げられます。

 

1.家賃

2.食費

3.管理費(施設維持費・運営費など)

4.水道光熱費

5.通信費

6.介護サービス費

7.上乗せ介護費

8.おむつ代

9.レクリエーション費

10.日用品費(手袋、ティッシュなど)

11.清掃費

12.健康管理費

13.リネン代

14.通院送迎代

15.買い物代行

16.その他

 

入居を検討する際にはパンフレット等をよく確認し、上記の費用のうち月額の利用料に含まれているもの含まれていないものを必ず洗い出しましょう。入所してから利用する予定のサービスも含めて予想される月額費用を算出し、その金額の支出を毎月続けても無理がないか確認することが重要です。

 

また、元気なうちから入居する場合はもし介護を受けるようになった場合どれくらいの費用がかかるかも施設に聞いておきましょう。また、その際は口頭での説明だけでは把握しきれないことがあるため、早めに契約書と重要事項説明書を手に入れ、隅々までチェックしましょう。

 

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