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金利と物価の関係、金利が動くと為替や株価がどうなるのか、低金利の今は何に投資したらいいのか、金利が上がったら投資活動をどう変えたらいいのか、など。「金利」を理解すれば、資産の増やし方を自分で考えて決められるようになる、とFPコンシェル株式会社代表取締役でFP兼マネーコンシェルジュである福本眞也氏は言います。本稿は、福本氏の著書『お金は「金利」で増やすのです』(大和書房)より、一部抜粋して紹介します。

資産を増やすには「金利を知る」のが初めの一歩

私はFPコンシェル株式会社の福本眞也と申します。日系証券会社に8年、外資系投資銀行に15年ほど勤務した後に独立し13年、気づけば金融一筋36年が経ちました。独立後はファイナンシャル・プランナーとして住宅ローンや保険、資産形成まで、お金に関する相談やアドバイスを年間200件ほど行ってきました。

 

そのなかにはお金の知識がほとんどない方も多数いらっしゃいます。

 

「どうしたら、お金の動きを理解して、資産を増やせますか?」と聞かれることも多いですが、私の回答はいつも決まっています。「金利を知るのがはじめの一歩です。今から私がご説明いたします」。

 

「金利」と聞いて、みなさんはどういうイメージを持たれるでしょうか。「住宅ローンを借りたときの金利でしょ? ほら、固定金利とか変動金利とかの……」という声が多いかもしれません。住宅ローンに限らず、お金を借りたときに「金利」という言葉を耳にするかと思います。

 

お金を借りたら、返すときは借りた金額よりも少し上乗せして返しますよね。その上乗せする額が、借りた金額の何%なのか―─。

 

それが金利です。例えば、100万円借りて、1年後に105万円返す場合は、金利は5%ですね(上乗せした金額5万円÷借りた金額100万円×100=5%)。なので、お金を借りるときは、多くの人が金利を意識するに違いありません。少しでも低い金利で借りたいと思うのは当然のことです。

 

では、それ以外のときは、金利を気にしなくてもいいでしょうか?

 

実は、私たちの生活のほとんどは、金利に左右されています。なぜなら、ほぼすべての企業や個人がお金の貸し借りをしているからです。企業は銀行からお金を借りていますし(融資)、銀行は個人からお金を借りていますし(預金)、国は形の上でですが、主に銀行など金融機関、機関投資家や個人からお金を借りています(国債)。

 

そして、住宅ローンを借りる個人と同じように、企業や国も金利が低くなればより多くのお金を借りたい、金利が高くなればお金を借りたくない、という心理が働きます。

 

お金を借りる人(もしくは企業や国)がいるということは、逆にお金を貸す人(もしくは企業や国)もいるということ。お金を貸す人は、どうでしょうか。金利が高いほうが嬉しいですよね。例えば、100万円を貸して、1年後に105万円返ってくるのか(金利が5%)、102万円しか返ってこないのか(金利が2%)……。少しでも多く返ってきてほしいと思うのが普通だと思います。

 

このように、金利によって、お金があちこち移動するのです。

次ページ日本人ほど「金利に疎い国民はいない」
お金は「金利」で増やすのです

お金は「金利」で増やすのです

福本 眞也

大和書房

金利を知れば、世の中の動きを先読みできる 日本では長らく低金利が続いていきましたが、2022年から2023年にかけてアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、そしてヨーロッパ各国も続々と金利を引き上げています。 マ…

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