「金利」を学ぶ前に投資をすべきではない
投資をしようと決めたら、みなさんは何から始めますか?
予備知識なく、いきなり自分のお金をリスクに晒すようなことは、普通であればしないと思います。まずは勉強しようと思う人もいるでしょうし、プロの人に教えてもらおうと思う人もいるでしょう。
ところが、ご自身が勉強をする前に、プロのお墨付きと安心してしまい、すすめられた投資信託を買ってしまった方が大変多いと感じます。なぜなら、書籍や多くの金融商品販売関係者が投資信託をすすめているからです。私のところに投資のご相談に来られる方の大半が、保有する投資信託の種類や名前さえ覚えておらず、すすめられるままに買ってしまったとおっしゃいます。
投資信託がダメと言っているわけではありません。投資信託にもたいへん良い商品があります。私も、ご相談者が勉強された後、分散投資のひとつとして、ご自身のリスクに対する考え方や感じ方(リスク許容度)をしっかりと検証してから選択することをおすすめしています。あくまでも今の世の中がどういう状態なのかを見て、投資先を判断してもらいたいのです。
そして、くどいようですが、この世の中の状況を判断するのに役立つのが、金利です。金利の動きを見れば、何に投資すべきか、どういう形で資産を持っておくべきか、ということがわかります。だからこそ、金利のことをしっかりと学んでから投資を始めていただきたいと声を大にして言っています。
逆に言えば、金利を学ぶ前に投資はしないほうがいい、という警鐘でもあります。とにかくやってみることも大切ではありますが、高くて痛い授業料を好んで払いたい人はいないですよね。
もうすでに投資をされている人も、一旦立ち止まって金利のことをよく理解してみてください。また違った視点で金融と経済の世界が見えてくると思います。
アクティブファンドとパッシブファンドの違い
金融緩和政策が続いている限り(金利が低いままである限り)、株式(インデックスファンド)の投資信託は比較的安定していますので、安心できる商品です。逆に金利が上がっていくと微妙になるとも言えます。
投資信託とは、金融のプロに自分のお金を預けて投資先をお任せ(信託)するというものですね。儲かったら、その分を還元してもらえるわけですが、当然ながら、そこには手数料が発生します。
投資信託にはいろいろな種類があり、大きく分けるとアクティブファンドとパッシブファンド(インデックスファンド)の種類があります。アクティブファンドは、プロのファンドマネジャーが自分たちの調査や思想、理論などを駆使して、上昇する銘柄を厳選し、指標(ベンチマーク:代表的な基準)よりも高い成果を目指し積極的に運用していくもの。人が介在しているために、それなりの手数料がかかります。