世界銀行「GDP成長予測」を下方修正も「東南アジアで最も成長する国」に〈フィリピン〉を選ぶワケ

10月9日週「最新・フィリピン」ニュース

世界銀行「GDP成長予測」を下方修正も「東南アジアで最も成長する国」に〈フィリピン〉を選ぶワケ
写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏が、フィリピンの現況を解説するフィリピンレポート。今週は、世界銀行によるフィリピンを含む東南アジア各国のGDP成長最新予想についてレポートします。

比・財政長官…財政プログラム、修正を示唆

開発予算調整委員会(DBCC:DEVELOPMENT Budget Coordination Committee)は、政府の設備投資遅延と世界銀行など専門機関からの経済成長予測の下方修正を考慮して、次回の会議でマクロ経済と財政プログラムの仮定を見直す予定です。

 

2023年上半期の国内総生産(GDP)成長率は5.3%で、政府の6%から7%の目標を下回りましたが、フィリピン財務長官・ディオクノ氏は、アジア開発銀行(ADB)と世界銀行の成長予測の変更に言及し、成長目標、インフレ、政府の支出不足(▲7.1%)について見直す予定だとしています。

 

第2四半期のGDP成長率は4.3%で、過去2年間で最低の水準。ADBも最近、フィリピンの今年の成長見通しを6%から5.7%に引き下げています。ASEAN+3マクロ経済研究機構(AMRO)は、フィリピンのGDP予測を6.2%から5.9%、IMFは6.2%から5.3%に下方修正しました。

 

ディオクノ財務大臣は、世界銀行との対話に基づいて言えることは、世界中のほぼすべての国々がダウングレードされている中、良いニュースはフィリピンが、以前として世界で最も高い経済成長をしている国であり続けていることだとしています。実際、中国、ベトナム、インドネシアより高い成長率を持続しています。

 

DBCCは2023年6月9日に開催され、次は年末までに会議を予定しています。IMFも、フィリピンの成長見通しを修正する可能性があります。フィリピン経済開発庁(NEDA)は、政府の6%から7%の目標を達成するために、GDPは下半期に少なくとも6.6%成長する必要があるとしています。

 

また、ディオクノ財務大臣は、議会が2024年の実施に間に合わない可能性があるいくつかの主要な税制措置があるため、DBCCは財政プログラムも見直す予定であるとしています。財務省の提案するジャンクフード税については、現在、上院と下院いずれにもスポンサーがついていないとのことです。2023年6月に、財務省はジャンクフード税を導入し、糖分の多い飲料品の税金を増加させることを提案しており、約200億ペソの税収が得られる可能性があると発表しています。


政府は今年の赤字上限を国内総生産の6.1%に相当する1.499兆ペソに設定しています。今年の財政プログラムは、収入が3.729兆ペソ、支出が5.228兆ペソに設定されています。

※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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