(※写真はイメージです/PIXTA)

「減価償却」とは、不動産などの資産の購入費用を、法定耐用年数に応じて経費計上する手続きのことです。この減価償却を有効活用することで、キャッシュフローを向上させ、安定した不動産投資を実現することが可能になります。本記事では、不動産投資家のアユカワタカヲ氏による著書『1000年使える不動産投資最強成功術 失敗しない人だけが知っている不動産経営の定番』から、減価償却の基礎知識と節税に有効な裏ワザについて解説します。

「減価償却」を制する者は不動産経営を制する

不動産経営の収支計算で重要なものの1つに「減価償却費」があります。サラリーマン生活をされている方には、あまり馴染みがないかもしれません。しかし、この「減価償却費」は、不動産経営の帳簿をつけ、税金を申告する上で非常に大切なものですので、しっかり理解してください。減価償却費をコントロールできるようになると、経営を上手にコントロールすることができます。

 

そもそも「減価償却費」とは?

建物や車などの資産は時間の経過によって古くなり、その価値が減っていきます。このような資産を「減価償却資産」といいます。いくら時間が経過しても古くなり価値が減ることのない土地は、減価償却資産ではありません。

 

その建物など減価償却資産を取得するのにかかった金額を、税法で定められた「法定耐用年数」にしたがって、一定期間にわたって必要経費として計上していく手続きのことを「減価償却」といい、その計上する金額を「減価償却費」といいます。

 

つまり減価償却費は手元に資金を残しつつ経費を計上できるので、キャッシュフローを向上させるための重要な要素です。

 

「現金が出ていかないで、経費計上できる」

 

だから、うれしい楽しいものなのです。

 

減価償却費を実際に計算

【例:RC造物件A】

物件購入額:2,800万円

土地建物評価額:1,400万円

建物部:600万円

土地部分:800万円

 

この「物件A」の購入額が2,800万円のうち「建物にあたる部分」が減価償却資産になります。事例の物件では土地・建物あわせた評価額が1,400万円で、このうち建物部分が600万円、土地部分が800万円でした。つまり建物割合は1400分の600となります。物件購入額は2,800万円なので、

 

2,800(万円)×600÷1400=1,200(万円)

 

このように「建物部分の金額」は「1,200万円」になります。この1,200万円を、使用可能な期間「法定耐用年数」に割り当てて、分割して必要経費としていきます。法定耐用年数は以下のように定められています。

 

■新築の場合

SRC、RC(コンクリート物件):47年

S(鉄骨造物件):肉厚4mm以上……34年

                        肉厚3〜4mm……27年

                        肉厚3mm以下……19年

W(木造物件):22年

 

この物件Aが新築のRC物件の場合は47年で償却となります。つまり、

 

1,200万円÷47年=年25.5万円

 

毎年25.5万円ずつ47年に渡って経費計上していくことができます。

 

■中古の場合

中古物件の場合は、別の計算式となります。

 

(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20%

※小数点以下は切り捨て

※耐用年数オーバーの場合は一律、20%(最低でも3年)

 

例えば、物件Aが築18年のRC造の物件の場合、「47年」-「18年」+「18年×0.2」で「32.6年」。端数を切り捨てますので、耐用年数が32年と分かります。つまり、先ほどの1,200万円を32年で割った「37万5,000円」が、1年当たりの減価償却費として計上できる金額になります。

 

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※本連載は、アユカワタカヲ氏による著書『1000年使える不動産投資最強成功術 失敗しない人だけが知っている不動産経営の定番』(ごきげんビジネス出版)より一部を抜粋し、再編集したものです。

1000年使える不動産投資最強成功術

1000年使える不動産投資最強成功術

アユカワ タカヲ

ごきげんビジネス出版

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