(写真はイメージです/PIXTA)

「婚期は女性の話題である」というのは大きな誤解で、統計的にみると女性を上回る数の男性が結婚に至らないまま50歳を迎えています。本稿では、ニッセイ基礎研究所の天野馨南子氏が3つの統計データを分析し、「未婚化社会」拡大の原因について解説します。

4―男性は高齢でも授かれるから理由の「年の差婚」希望問題

「若い女性でないと子どもを授かりにくい。子どもが欲しいから若い女性がいい」という視点は婚活を行う男性に圧倒的に多い視点である。しかし、そうであるならばなお更、「その若い女性に自分は選ばれる年齢なのか」を考えねばならない。

 

どの男性も同じような理屈で若い女性を希望すればするほど、若い女性は圧倒的な選択権をもつことになる。初婚同士の結婚において女性とどのような年齢差で男性が結婚しているかを分析した結果が以下である(図表3)。

 

まず、初婚同士の夫婦の年齢差は平均で1.5歳差(夫>妻)まで縮小している。再婚者を含めた総婚姻でも2.1歳にすぎないが、初婚同士となるとより縮小している。

 

こう書くと「それはあくまで平均だから夫が5歳差だって多いはずだ」と年齢差で均等発生的に考える方もいないではない。しかし平均が1.5歳ということは、1.5歳-5歳の「妻が3.5歳上」も多くなければ男性5歳上も多くはならない。

 

実態は図表の通りで、圧倒的に多いのが同年齢婚となっている。5組に1組以上が同年齢であり、2位に夫が1歳上、3位に妻が1歳上となっている。夫婦の年齢差が1歳差までの結婚が47%となっているため、2組に1組は1歳差までの結婚となる。

 

 

同年齢婚を最多とし、プラスマイナスで年の差が小さいほど成婚件数が多いという発生状況で、どちらが上でも「3歳差までの結婚が72%を占めている」ため、これを超えるような年の差婚は男女どちらが年上でも少数派であることを確認しておきたい。

 

40歳近い30歳代男性で考えると、若くて30歳代半ばからの女性が年齢的にみて成婚の実現可能性が高い相手となる。

 

感覚的には「同じ中学校、高校時代を過ごしたであろう相手」が男女ともに選ばれるために無理のない相手である。

 

つまり、自分が高齢であっても若い女性との間に子どもを授かれる可能性は生物学的にあるが、そのような相手に選択される可能性が年齢条件的には極めて厳しいため、機能的な話と社会的な話を混同し、成婚可能性を誤算しないことが重要となる。

 

ちなみに2022年において30歳で初婚同士の成婚をした男性(1万7104人)のうち、29歳までの女性と成婚したのは1万398人であり、61%に過ぎない。

 

これが29歳男性であれば76%であるので、若い女性と結婚したいなら自分も30歳未満であるうちの結婚を目指すことが大切である。

 

30歳という「29歳とわずか1歳差」であってもこのような状況であることをあらためて社会に周知しておきたい。

 

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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2023年10月2日に公開したレポートを転載したものです。

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