「情報弱者」をねらった詐欺的スキーム
この事件の手口は、真の居住者に月5万円で貸している物件を、買主に対しては「サブリース賃料9万4,000円・マスターリース賃料8万500円の“良物件”」と、いわゆる「逆ザヤ」状態になっていることを説明せずに購入させ、頃合いをみて借地借家法を盾にサブリースを一方的に解約するというもの。
仮に、月に3万円も収支が上昇すれば、当然それに伴って利回りが上昇し、物件の売買時の価格を900万円程度上昇させることも可能です。被害者は、市場価格を大幅に上回る金額で物件を買わされてしまったのです。
リテラシーがあれば見抜ける手口ですが、不動産取引に精通していない「情報弱者」をねらった詐欺的スキームといえます。
不正利用の発覚で自己破産寸前に…
そして、本橋さんはさらに地獄に突き落とされます。郵便物のやりとりなどから、「フラット35」を使用して購入した物件が「投資用」だということが住宅金融支援機構に知られてしまったのです。
機構からは「不正利用」を指摘され、後日、残債一括返済の催告書が届きました。
本橋さんは目の前が真っ暗に。「自己破産しかないのか…」。そんな考えが脳裏をよぎり、眠れない日々が続いたといいます。
それでも本橋さんは、この状況をなんとか打破できないか、食い入るようにネット検索をし続けます。すると、同様の被害に遭った「被害者同盟」があることを知り、リーダーに接触。本橋さんはいま同盟に加わって、事件解決に向けて尽力しています。
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