おでんを吐かれたり、冷蔵庫に入られたり…従業員による「SNS炎上」は対岸の火事ではない!未然に防ぐためにすべき、たった1つのこと【経営コンサルが解説】

おでんを吐かれたり、冷蔵庫に入られたり…従業員による「SNS炎上」は対岸の火事ではない!未然に防ぐためにすべき、たった1つのこと【経営コンサルが解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

近年、自社の宣伝やマーケティングのためにSNSを活用する企業が増えています。しかし、個人アカウントに比べてより多くの人に閲覧される企業アカウントは、些細なことから「炎上」に発展することも少なくありません。本記事では、SNSで炎上しないための防止策について、経営コンサルの田中晃氏が解説します。

炎上を未然に防ぐために実行すべきこと

炎上を未然に防ぐために必要なのはルールの明確化です。なぜルールなのか。

 

「SNSに関する認識のずれ」=「行動のずれ」=「炎上の素(モト)」

 

となるからです。また、企業がSNSで炎上する主な原因としては以下の「ルールの認識のずれ」、「ルールの誤解錯覚」が考えられます。

 

・ユーザーを不快にさせる投稿

・政治、宗教、ジェンダー、民族、イデオロギー等に関する批評批判による投稿

・法律、法令の違反

・社員やアルバイトによる誤投稿、誤爆

・ステルスマーケティング、通称「ステマ」によるやらせ

 

ユーザーを不快にさせる主な投稿例は、他人の誹謗中傷や競合他社商品・サービスへの批評批判などが挙げられます。センシティブな要素である政治、宗教、ジェンダーなどに関する投稿も炎上を招く可能性が高いものです。法律や法令違反はいうまでもなく、従業員の誤投稿、バイトテロ、前述の迷惑行為のような間違ったSNSの使い方はマネジメントによって防がなければなりません。

 

どのような組織、コミュニティにも、「明文化されたルール」、もしくは「暗黙のルール」が存在します。人間はコミュニティを形成しているため、そのコミュニティにおいて社会性に難あり(組織のルール違反)と判断されるものに対しては、「敵」と認識し、その対象者を排除する機能が働くため、「違反者や敵」を生み出さないためにも対策が不可欠ということです。

 

また、人間はルールを守る、順守する者同士が「仲間」と認識するということも重要なポイントとなります。ゆえに、組織がまず実行すべきはSNSに関する社内外のルール作りです。

 

皆さんの組織では、SNSに関するルールは明確化されていますか。この機会に新設、修正、削除を実施してみてください。

具体的なルール作り

具体的なSNS関連のルール作りについては、社内外向けに大きく3つにわけて考察します。

 

・社内ガイドライン

社内ガイドラインとは、シンプルに表現するとSNSに関する社内・従業員向けルールのこと。企業や従業員がSNSを利用する際の指針やルールを明文化した社内の人向けの文書です。これを無視してSNSを利用する者を防ぐためには事前に誓約書を提出させることをルールにすることなどが効果的です。誓約書は、「誓約に違反した場合は、会社から懲戒処分を受けたり、民事・刑事の法的措置を講じられる可能性があることを了承すること」といった旨の内容にするとよいでしょう。

 

・メディアポリシー

メディアポリシーとは、企業がSNSを利用する際の会社のスタンスや心構えを、市場に対して解説した文書です。

 

・コミュニティガイドライン

コミュニティガイドラインとは、企業がSNSを運用するの免責事項・禁止事項などを市場に対して解説した文書です。

 

上記を作成することで、以下の目的が果たせるようになります。

 

・社内のルールを従業員に認識させることで、SNS投稿の品質を担保し、炎上を防止することが可能

・指針やルールを明確化することで、SNS投稿そのものの属人化防止が可能

・事前に自社アカウントが投稿する内容の明確化で、炎上やユーザーとのトラブル防止が可能

SNSで成果が出ない3つの原因

最後に、「SNS運用がうまくいかない」「結果が出ない」と迷う方に向けて、SNSを成功させる3つの要素をお伝えします。

 

・SNSを利用する目的、目標を決定すること

・SNSに関する社内外のルール、仕組みを明確化すること

・SNSを利用するの結果に対するPDCAサイクル化

 

上記におけるポイントは、「文書化・明文化」「数値化する」ということです。しかし、実態としては「周りの人が皆やっているから」「企業としてまずはアカウント作るところからやろう」「部下にとりあえず任せる」などということで、マネジメントにおけるルールや結果の明確化・数値化ができていないことはありませんか。

 

「SNSで成果が出ない」とぼやく人ほど、なんのためにSNSを使っているのか、なにを目指すのか明文化できていません。

 

前述のとおり、人間が所属するコミュニティ内でのずれや誤解錯覚こそが炎上を引き起こす要素となるため、それらを発生させないためにもSNSに関するルールや仕組みを軌道修正し続けることで、未然に防ぐことが可能になり、かつ起こった場合には迅速な対応が可能となるのです。

 

これらを実行しないと、結果が出なかったり、対処や対応に迷う際に感覚的な判断しかできなくなったりします。また、SNSマネジメントにおける組織のPDCAサイクルがより高速に回るようになることで、結果が出る機会にめぐりあう回数も増え、自ずと望む結果も出ることとなります。

 

世の中で絶えず進化し続けるSNS。それに対する組織のマネジメントも、SNSの進化以上に高い角度で進化し続ける必要があるということ、つまりPDCAサイクル化が重要ということです。

 

 

株式会社識学

 

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