(※写真はイメージです/PIXTA)

「一生に一度の買い物だから」を言い訳に、マイホームは予算以上になりがち。経済的に余裕のある人たちであればなおさらです。しかし、余裕だと思っていた住宅ローン返済が、ちょっとした想定外で苦しくなることもまたよくある話。FP1級の川淵ゆかり氏が、あるパワーカップルを例に適切なローンプランを考えていきます。

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    節約が必要と分かりつつ…生活費が節約できない

    Aさん夫婦は憧れのタワマン生活を手に入れました。契約当初は「大きな買い物をしたんだから少しは節約していこうね」と話し合ったのですが、なかなか生活レベルは簡単には下げることはできません。それどころか、友だちを呼んでホームパーティーを開いたり、タワマンの近くにある高級スーパーが気に入ったため高級品の購入が増えてしまったりと、逆に支出は増えてしまったといいます。

     

    タワマンに住むことで、周りの住人との競争意識もあるのでしょう。ワンランク上のモノやサービスにどうしても目が行ってしまい、ついつい購入してしまうのですが、二人の収入を合算すれば十分対応できるので、楽観的な考えのままだったといいます。

     

    コロナ禍の影響で収入は大幅減

    贅沢が抑えられないAさん夫婦ですが、タワマンに住んで1年ほど経ったころです。新型コロナウイルス感染症が広がり始め、営業で都内を飛び回っていたAさんは新型コロナウイルス感染症に感染してしまいます。Aさんは重症化してしまい、ICUで人工心肺装置(ECMO)につながれ生死の境をさまよった、といいます。

     

    Aさんはなんとか生還したのですが、その後も呼吸困難や脱毛などの後遺症に悩まされつづけ、明るかったAさんからは笑顔が消えてしまいました。長い入院や自宅療養の後もとても営業などできる状態ではなく、社内での事務処理業務に異動させられてしまったとか。

     

    しかしコロナ禍の影響はAさんだけでなく、Aさんの会社にまで暗い影を落としました。海外からブランド衣料などを輸入していた会社ですが売上げは激減。新型コロナ感染症が5類感染症に移行した後も仕入金額や光熱費の値上げ、人件費のアップに悩まされている状態です。

     

    Aさんの会社では経営悪化でボーナスは縮小。さらにAさんは外勤から内勤への異動で収入は半減したといいます。会社はとうとう早期退職の募集も始めましたが、精神的ダメージと体調不良も続いているAさんは転職など考えられるはずもなく、収入減のまま現在に至ります。

     

    奥さんは新型コロナウイルス感染症には感染しなかったものの、金をはじめとする原材料の高騰は、勤務するジュエリーメーカーの経営にも影響を与えています。

     

    今年、Aさんは41歳、奥さんは39歳になり、二人が言っていたそろそろ資産形成を始めないといけない年齢になりましたが、住宅ローンの返済が重荷となっていてそれどころではありません。

     

    「この3年間、なんとか踏ん張ってきましたが、住宅ローンは滞納ギリギリの月もあり、もうそろそろ限界です。主人の年齢を考えると年収も以前の金額まで戻るとも考えられませんので、マンションは売却を考えています」と、Aさんの奥さんは言います。

     

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