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被相続人から財産を相続した際にかかるものが相続税です。「相続が発生した場合に自分には、どれくらい相続税がかかってくるのか」気になる方は多いのではないでしょうか。本稿では、税理士法人ブライト相続の天満亮氏監修のもと、手早く相続税の額を概算できる便利な早見表や、相続税の計算方法について解説します。

相続税の配偶者控除とは?

早見表の①で少しお伝えしたように、相続税では配偶者控除があります。正確には「配偶者の税額軽減」といい、相続によって財産を取得した配偶者の相続税額を軽減する特例です。具体的には、1億6,000万円か法定相続分のどちらか大きい金額までは、相続しても相続税がかからない仕組みになっています。

 

配偶者控除を使えば、多くの場合で配偶者に相続税がかかりません。しかし、これは両親のどちらかが被相続人となり、配偶者と子供が相続人となる一次相続でのみ使用できる特例です。

二次相続では控除がなくなるので税額が増える

配偶者控除は一次相続の場合しか使えず、二次相続では使用できません。早見表の見方①②をそれぞれご確認ください。

 

例えば相続財産が1億円のケースをご紹介していますが、①の場合は配偶者控除の適用があり、配偶者の相続税額は0円になります。子供1人あたりの相続税額は56万円です。一方、②の場合は法定相続人が子供のみとなるため配偶者控除の適用がなく、子供1人あたりの相続税額は122万円となります。同じ相続財産の1億円でも、相続税額が大きく変わってくるのです。

相続全体を見て相続内容を決めたほうがいい

一次相続のみを考えて相続内容を決めてしまうと、後に発生する二次相続の際に多額の相続税がかかってしまうケースがあります。相続においては、相続全体を見て内容を決めるのが賢明といえるでしょう。

相続税支払いの期日と支払い方法

相続税は、相続開始を知った日から10ヵ月以内に行うこととされています。

 

例えば、1月6日に被相続人が死亡したことを知った場合には、その年の11月6日が申告期限になるということです。

 

また、相続税は申告期限までに現金で一括納付するのが原則です。しかしながら、現金で一括納付できないという人のために、特別な納付方法として「延納」と「物納」があります。「延納」は何年かに分けて税金を支払っていく制度です。税務署に申告期限までに申請書を提出して、許可を受けた際に利用できます。

 

出典:国税庁「No.4205 相続税の申告と納税

相続税支払いにおける注意点

相続税の支払いが必要な人が申告期限までに申告・納付をしなかった場合には、相続税のほかに加算税や延滞税などの税金がかかる場合がありますので注意が必要です。「自分には相続税の申告や納付が必要なのか」「相続税の申告はどのようにするのか」など、相続が発生した際には知っておきましょう。

 

相続税の計算は複雑ですので、手早く自分の相続税概算額を知れる早見表は非常に便利です。しかし、早見表はあくまでも予想額になります。相続税の申告が必要だとわかったら、専門家に相談してみてはいかがでしょうか。被相続人になる人が健康な状態であれば、生前贈与の対策を行うなどして早見表に記載されていた金額よりも相続税が減額できるかもしれません。相続税対策は、早めの行動をおすすめします。

 

天満 亮

税理士法人ブライト相続

税理士

 

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