問題児童が原因で学級崩壊しているときの対処法
学校に問題児童への対応を求めるという方法は、真正面から立ち向かう正攻法であるといえます。
他方、周囲の児童からすれば、相談や通報を行ったことを問題児童やその親に知られて、恨まれたり、報復されたりするのではないかという心配もあることでしょう。
そこで、以下、他の選択肢もご紹介いたしますので、参考になさってください。
①担任の交代を求める
担任が問題児童をコントロールできていないということは、担任に学級運営を行う能力が不足しているとことが原因であると考えることもできます。こうした能力不足の教員に対しては、自治体によって異なりますが、研修を受講させたり、担任から外したりする運用がとられています。
そこで、学校や教育委員会に対して、担任の学級運営能力が不足していることを伝えて、担任の交代を求めていく方法が考えられます。
②見守り教員の配置を求める
教室の中に、担任以外の先生を追加で配置することを求めていく方法です。学校によっては、常時、校長先生が教室に入っているというケースも見受けられます。
このほか、自治体や学校によって名称は異なりますが、「サポーター」などといった制度を使って、定年退職した先生たちを教室に配置するということも少なからず行われています。
③クラス異動を求める
年度途中や学期が変わるタイミングで、問題児童とは別のクラスに異動させてほしいと求めることも考えられます。ただし、この方法については、ほとんど認められるケースがありませんので、実現する見込みは低い「ダメ元」と考えておくべきでしょう。
ただし、年度途中でのクラス異動が難しい場合でも、翌年以降は一緒のクラスにならないように配慮してほしいとの申入れは行っておくべきです。
なお、例えば夏休みを実家で過ごす場合には、その間、実家に住民票を移して別の学校への就学通知をもらい、夏休み終了前に住民票を戻して、再び元の学校への就学通知をもらうことになります。しかし、こうしたケースでは、偶然、2学期からは別のクラスに配置された、ということがあるかもしれません。
④警察や児童相談所等に通報する
上記のほか、他人の物を破壊する、学校の備品を破壊する、暴行を加えるなど、問題児童の行為が犯罪に当たるにもかかわらず、学校が警察や児童相談所等と連携していない場合には、周囲の児童から直接、警察や児童相談所に通報を行うことも考えられます。
田渕 大介
弁護士