日本企業に求められる「攻めの経営」
同社はリアル空間にとどまらず、メタバース空間とのハイブリッドでアンテナを張って、スタートアップと協調しながらビジネスチャンスを模索しています。
明確なビジョンがあり、届けたい価値があり、そのために新たなビジネスモデルをつくり、それに必要となる多様な知財を張り巡らせるという“逆算”の視点で、他社の先進テクノロジーやデザインを探索しています。
そうした方法でビジネスモデルを築き上げていくと、その企業ならではの一貫した世界観を表現することができます。
そのような攻めの経営を日本企業ができるかどうかが問われています。
ビジョンがない会社は、目的ではなく手段によって経営を行っているようなものです。そのために確固たるものがなく、ブランドとしての価値も高まっていきません。その結果、質の良いスタートアップと出会い、対等に会話したり、価値観を共有しながら創り出したい未来について語り合ったりすることもできないでしょう。
ビジョン経営とそれに伴う知財ミックス戦略に基づいて、有望なスタートアップを引き込みながら自社の知財ポートフォリオを増強し続ける攻めの姿勢が、会社の将来を左右する重要な要素となります。
そうした認識が欠けていることが、企業のポテンシャルを下げる要因になります。ファンに届ける価値がつくれないため、ファンの熱狂を生み出すこともできなければ、従業員に対する「インナーブランド」を確立することもできません。
それが社員のエンゲージメント(愛社精神)にも関係し、ひいては業績に影響することは言うまでもありません。
鈴木 健二郎
株式会社テックコンシリエ代表取締役
知財ビジネスプロデューサー
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