顧客の信頼を得たければ、自分がすすんで「リスク」を負う
顧客が初めてあなたの提供するサービス・商品購入を決めるときは、そのサービス・商品が「いいものだろう」と信頼したときです。したがって、初めての顧客に接してまず一番最初にすべきことは、その顧客から信頼を得ることです。それができなければ、次はないのです。
顧客は、購入する前の段階では、内心に多少なりとも不安を抱えています。ハズレじゃないか、うまく言いくるめられているのではないか、などとドキドキしながら、それでも最終的には「よし! 信頼する」と決めて購入するのです([図表]参照)。
では、どうすれば、顧客の不安を取り除き、信頼してもらえるようになるのでしょうか。
顧客の不安を低減させる方法として、「リスクリバーサル」という方法があります。リスクは「危険」、リバーサルは「反転」を意味します。つまり、顧客のリスクを反転させて、商品・サービス提供側がリスクを背負うことをさします。
リスクリバーサルには、代表的な2つの手法があります。以下、紹介します。
◆全額返金保証
代金を先払いにして、『何か不具合や不備があれば、全額返金いたします』という手法です。
たとえば、筆者が提供しているある講座では、「ご満足いただかなければ、いかなる理由であっても全額返金します」とお伝えしています。手法というより、商品・サービスを提供する側の「覚悟」を示すものといえるかもしれません。
全力で、顧客をよりよい未来に導くという覚悟があるからこそ、それが顧客にも伝わり成約率も上がるし、顧客の本気度も上がり、成果に結びつきやすくなります。
◆無料返品保証
次に、「無料返品保証」です。これは、最初は商品・サービスを無料で利用してもらって、よかったら購入してもらうという手法です。前述の「無料モニター」とは異なり、こちらは条件つきながら「気に入ったら購入する」という意味で、顧客の本気度を一定程度引き出すことができます。
たとえば、筆者は20代の時に補聴器販売会社に勤めていたのですが、当時でもデジタルの補聴器だと、片耳だけでも数万から数十万円、最高級だと50万円を超えるものもありました。人の耳の形はそれぞれ違うので、毎回耳の形をとり、その人に合わせたオリジナルな形の補聴器を提供していました。
無料で2週間ほど貸し出し、よければ買っていただき、あまり合わなければ返品してもらうように対応していましたが、非常に高い購入率でした。リスクリバーサルがうまく機能したケースだといえます。
◆自分が全リスクを引き受けるからこそ、全力で顧客に対応する
リスクリバーサルについて、こんな相談をされます。
「リスクリバーサルの重要性はわかったのですが、全額返金保証や無料返品保証は怖いです」
そうですよね、怖いですよね。その怖さは、顧客が買う時に感じている怖さと同じです。だからこそ、その怖さを商品サービス提供側であるあなたが引き受け、全力で顧客に対応するのです。これによって、顧客はリスクを感じなくなります。そして、あなたの商品・サービスを安心して購入してもらえるようになるのです。
リスクリバーサルを取り入れて、より顧客の安心と信頼を得て、顧客の望むよりよい未来へ導いていきましょう。
草間 淳哉
ブランディングカンパニー(株)ウェブエイト代表
代表
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