起業家の“9割”が商品・サービスの開発で陥る「ワナ」
起業初期の商品・サービスの企画段階で、起業家の9割が陥る「ワナ」があります。それは、商品サービスの開発手法を誤ってしまうことです。
商品サービス開発手法は大きく分けて2つあります。「プロダクトアウト」もう一つは「マーケットイン」という手法です。では、一つひとつ解説していきましょう。
プロダクトアウト
「プロダクトアウト」(Product Out)とは、商品サービス提供側を優先させる方法です。買い手(顧客)のニーズよりも、「作り手がよいと思うものを作る」という考え方です。この手法には、
- 強みを活かせる
- 革新的な開発の可能性がある
- 開発の手間や費用を抑えられる
といった特徴があります。
たとえば、iPhoneやポケモンGoなど、世の中の革新的な商品サービスのほとんどがプロダクトアウトから生まれていて、長い間市場を独占できる、すばらしい開発手法です。
マーケットイン
一方で、「マーケットイン」(Market In)とは、市場のニーズを優先し、顧客の課題や欲求を見定めて商品サービスの企画・開発を行ない、提供していくことです。「顧客が望むものを作る」という考え方です。
- 大ヒット商品サービスは生まれにくい
- 顧客のニーズに合っているので売りやすい
- 差別化がしにくい
- 売上げの予測をしやすい
- リスクが少ない
といった特徴があります。
これから起業するならまず「マーケットイン」を選ぶべき
「プロダクトアウト」も「マーケットイン」も、どちらもすばらしい開発手法です。それでは起業初期、起業したて、起業してもまだうまくいっていない、これから起業したいという人が、取り組むべき商品サービス手法はどちらでしょうか?
答えは「マーケットイン」です。顧客の望むものを作るからこそ、売れやすいし、安定した売上げが期待できるからです。
ところが、起業家の9割が「プロダクトアウト」を選んで、顧客のニーズに合致した商品・サービスを提供できず、失敗してしまうのです。これが陥りがちな「ワナ」なのです。
もちろん、「プロダクトアウト」はすばらしい開発手法です。筆者もプロダクトアウトでの商品サービス開発を考えていて、現在も今の事業と並行しながら開発を進めています。ただ、起業当初は「マーケットイン」で顧客から求められるものを提供し、売れる経験を積んだほうがよいでしょう。その経験なしに、世の中に革新的な商品サービスを展開していくのは難しいからです。
あなたのすばらしい想いやアイデアは、これからも大事に持ちながらも、先にマーケティング力をつけて、その後で挑戦していく流れでも遅くはないのではないでしょうか?
ウォルト・ディズニーも、最初からディズニーランドを創り出せたわけではありません。勤めていた新聞社を「創造性に欠けるから」という理由で解雇されてしまったり、起業をしても3回も倒産するという経験をしたりと、挫折と挑戦を繰り返し、それでも諦めずに力をつけて、あのディズニーブランドを創り出したのです。
それでも、「いや、今だからこそ、プロダクトアウトで挑戦すべきなんだ!」という強い意志があるようでしたら、それも一つの考え方です。ぜひ挑戦してください。