(※写真はイメージです/PIXTA)

インターネット上での誹謗中傷が社会問題になっています。特に若年層のSNS誹謗中傷トラブルは年々深刻化しており、なかでもいじめの延長として高校生が被害に遭ってしまう事例は少なくありません。では、高校生が誹謗中傷の被害に遭ったら、本人や親は、どのように対処すればよいのでしょうか? 本記事では、高校生が誹謗中傷の被害に遭った場合の対応について、Authense法律事務所の弁護士が解説します。

高校生が誹謗中傷の被害に遭った場合の「NG対応例」

高校生が誹謗中傷の被害に遭った場合、初動を誤ってしまうと、法的措置が難しくなったり被害が拡大したりするおそれがあります。そのため、本人や親が次の対応をすることはおすすめできません。

 

相手に直接言い返す

誹謗中傷の被害に遭い、根も葉もないことをインターネット上に書き込まれてしまえば、気分のよいものではないでしょう。相手に反論したり、誤った情報を正したくなったりする気持ちは十分理解できます。

 

しかし、誹謗中傷への対応としては、これはおすすすめできません。なぜなら、誹謗中傷に反応して相手に言い返してしまうと、火に油を注いでしまい、誹謗中傷の被害が拡大してしまうおそれがあるためです。

 

また、言い返した内容によっては反対に相手方から「名誉毀損だ」などといわれてしまい、法的措置をとるにあたって不利となる可能性もあるでしょう。そのため、言い返したくなる気持ちはいったんぐっと堪え、反応しないことをおすすめします。

 

焦って削除請求をする

多くのSNSやインターネット上の掲示板では、運営者や管理者などに対して、投稿の削除請求が可能です。しかし、法的措置を検討しているのであれば、焦って削除請求をすることはおすすめできません。なぜなら、削除請求が認められて投稿が消えてしまえば、法定措置に必要な証拠が消えてしまうこととなるためです。そのため、削除請求をする前に、スクリーンショットなどでしっかりと証拠を残しておきましょう。

 

また、自分でスクリーンショットを撮った場合にはどうしても抜けや漏れが生じがちであり、弁護士としては、追加での証拠を得たい場合も少なくありません。スクリーンショットを撮ったからといってすぐに削除請求をするのではなく、削除請求をする場合は弁護士へ相談をしたあとに行うとよいでしょう。

 

自分で調べて対応しようとする

誹謗中傷へのよくある失敗例として、自分で対応しようとして、結果的に法的措置が難しくなるケースが挙げられます。弁護士へ対応を依頼すると、確かに弁護士報酬がかかります。そのため、費用を節約するために、何とか自分で対応しようとする場合もあるでしょう。

 

しかし、誹謗中傷への法的措置を自分で成功させることは、容易ではありません。相手が誰であるのかを知るための発信者情報開示請求のみであっても、開示請求を受けるためには裁判所が開示請求の妥当性を判断するだけの根拠を提出する必要があり、これには法令の専門知識が不可欠です。

 

そして、誹謗中傷への法定措置は、時間との勝負であるといっても過言ではありません。なぜなら、時間の経過とともにプロバイダが保存しているログが消されてしまい、発信者情報開示請求をしても、相手の特定が困難となってしまうためです。ログの保存期間はプロバイダによって異なりますが、おおむね3ヵ月から6ヵ月程度とされていることが多いでしょう。そのため、無理に自分で対応しようとせず、すぐに弁護士へご相談ください。

誹謗中傷被害は高校生も例外じゃない…早めに弁護士へ相談を

誹謗中傷が社会問題となっており、その被害に逢うのは高校生であっても例外ではありません。高校生が被害に遭う誹謗中傷は、「いじめ」の延長であることもあるでしょう。行う側は、安易に行っている場合もあるかもしれません。

 

しかし、誹謗中傷は法的に問題のある行為であり、刑事罰や損害賠償請求の対象にもなり得ます。また、相手が匿名であったとしても、発信者情報開示請求などを行うことで、相手を特定することができる可能性が高いといえます。そのため、誹謗中傷の被害に遭ったら泣き寝入りするのではなく、できるだけ早期に弁護士へご相談ください。

 

 

Authense 法律事務所

 

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