子どもに残す生命保険金は「親の愛情」
親の死によって支払われる生命保険は、まさに親から子への命を懸けたプレゼントです。子どもたちはその生命保険を受け取ったときに、「ああ、お父さんは(お母さんは)私のためにこんなお金を用意してくれていたんだ」と思うことでしょう。そして、「私のことを考えていてくれて、ありがとう」と、感謝の気持ちを抱くはずです。
「保険金があったから、兄弟で揉めずに済んだ」とか「保険金のおかげで納税が楽だった」とかいう体験をすれば、その思いはさらに強まるはずです。
私が生命保険は”愛情のかたち”だというのは、こういう力が生命保険にはあるからです。あなたのお子さんも親が亡くなって改めて、その愛情に気づくことになるでしょう。親の愛情を確認できた子どもは、その先の人生を力強く進んでいけるものです。そして、自分も周りに愛情を注ごうとするのではないでしょうか。
相続はきれいごとだけではやっていけません。クリニックの存続のために犠牲を払う場面もおそらくあることでしょう。それでも、厳しい決断もその根底に「愛」があれば、衝撃はやわらぎ、乗り越えていきやすくなります。ぜひ子らへの愛情を具体的なかたちにして示してあげていただきたいと切に願います。
定期・養老・終身・・・生命保険の三つの基本形
生命保険には、大きく分けて三つの基本形があります。
定期保険、養老保険、終身保険の三種類で、世間で販売されている保険商品は、それらの組み合わせで成り立っています。
●定期保険……一定の期間の保障をしますが、基本的に掛け捨てのため保険料は割安です。保険期間の変更や、他の種類の保険へ変換することができます。
●養老保険……保障と貯蓄の両方を兼ね備えた保険です。満期時に保険金と同額の満期保険金が支払われます。
●終身保険……保障が一生涯続きます。何歳で死亡されても保険金が支払われます。長期間継続すると、解約返戻金が貯まります。
【図表 生命保険の3つの形】