(2)拝金主義(Money Worshipping Disorders)
2つ目にマネー障害として紹介されているのは、「拝金主義」です。たとえばあなたは「お金がたくさんあれば、幸せなはず!」と思ったことはありませんか?
私自身、2018年に独立するまではそう思っていました。「お金さえあれば幸せ」とは限らないけど、世の中の問題は、お金で解決できることが多いと信じていたのです。しかし、脳科学コーチングを学んでから、「お金と幸福感」について深く考えるようになりました。
また世の中を見渡すと、コロナ前後で「豊かさ」の定義が大きく変わったように思えます。2020年のパンデミック以前は、年収や財産、社会的ステータスなどが「豊かさの象徴」といった風潮がありました。一方コロナ禍では、自分と家族が心身ともに健康で、必要なお金が手元にある状態が「真の豊かさ」と考える人が増えたのではないでしょうか。
豊かさの定義は人それぞれ。ただ「お金が全て」といった拝金主義は、精神衛生上よくありません。なぜなら、お金で一時的に気分を高揚させて、心を満たそうとしているからです。ドキッとしたあなた、大丈夫ですよ。同じように思っている人は、世界中にたくさんいます。
どのような事例があるのか、詳しく見ていきましょう。
【①浪費】
お金があるとパーッと使ってしまい、気がつくと手元にお金が残らない。こうした浪費の中には、ギャンブル障害やためこみ症、儲かった時の高揚感(こうようかん)が忘れられず、高リスク商品で投機的な短期取引を繰り返す人も、この部類に含まれます。
【②買い物依存】
憧れのブランド品を身につけて、セレブ感を味わいたい人は多いかもしれません。たしかに、人には誰しも人からよく見られたい願望はあるものです。持ち物のグレードで待遇が変わることは実際にあります。
普段はプチプラのリュックで出かけるCさんは、ある日珍しく高級ブランドのバッグで外出しました。すると、立ち寄ったお店では丁重に扱われ、道ゆく人々もCさんにぶつからないように、少し距離を置いてすれ違っていったといいます。いつもより周囲から大事にされている感じがして、気分がよかったそうです。
ただ、このような高揚感を求め過ぎると、買い物依存症に発展する可能性があります。買い物依存症とは、買い物を繰り返すうちに、買い物自体が目的となり、自分で衝動を抑えられなくなる状態です。その結果、借金をしてまで買い物を繰り返し、自己破産に至るケースも。ブランド物に執着し過ぎる人は、なぜ自分はこの商品を買いたいのか、買う前に自問してみてください。