ブランディングにおける「環境音」の意義
本記事の結論は、「というわけで、ここでいう『環境音』などの、一見すると雑音のような情報も大事なので、好きな情報だけではなく、いろんな情報を把握しましょう!」となると思っておられませんか?
実はそうではないのです。確かに、ブランディングをしていくうえでは、いろいろな多角的な情報や視点がなければ、いいブランドを創ることはできません。必要な情報だけをとっていては、社会の動きや、新しい情報は獲得できませんし、マーケティングをしていくうえでは非常に致命的なことになります。
しかし、意外にもその反対側に「ブランディングのチャンス」が実は存在するのです。それは、「盲目的であることの重要性」です。
環境音に左右されない「思い込み」の重要性
実は、ブランディングにとって重要なのは、過去の実績や、周りの環境音に左右されない、ある種盲目的な信念や「思い込み」なのです。圧倒的に深掘りしている自分の大好きな世界から、情報や仕組みを深く読み取り、本質を掴む。すると、これが新しいマーケットに向けた、新しいブランドの出発に繋がることがあります。
たとえば、日常的に大好きなコーヒーの情報を集めていたとしましょう。巷の流行りのコーヒーショップには目もくれず、ただひたすらに自分の好きな味のコーヒー豆を研究していたとします。その人は、おそらくそのコーヒーを美味しくいただくために、豆の味だけではなく、コーヒーカップのデザインや、それをいただく空間、またそのブランドストーリーにも夢を馳せながら、自分の大好きな世界を妄想して楽しんでいるでしょう。
ほかから見ると、いわゆる自己満足の世界かもしれません。きっと「こんな新しい自分だけのコーヒーショップを将来できたらいいなぁ」と、日々勝手な妄想を膨らませ、その延長線上でいろんなコーヒーショップを主観的な視点で巡ることでしょう。これは、客観的に物事を調査することとは本質的に違う探索になります。
しかし、日頃から「環境音」に敏感な方はどうでしょう。「あそこの新商品はすごい!」「あそこは新しいビジネスモデルだ!」「カフェ事業はそもそもビジネスモデルが古いから、参入障壁も低いし出店は困難?」と、環境音や周到な調査から、さまざまな「リスク」を想像することが容易にできてしまいます。
そもそも、この事業をスタートさせることは、どんなにコーヒーが好きでも、「難しいのではないか?」となるかもしれません。当然、コーヒー屋さんを事業として捉えたときに、戦況から考えるのは確かに正しい判断です。
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