(※写真はイメージです/PIXTA)

ブランディングにおいて、成功する企業と失敗する企業のあいだには決定的な違いがあると、ブランディングストラテジストの戸田成人氏はいいます。一体どのような違いでしょうか? みていきます。

「環境音」を活用した広告

「環境音」とは?

「環境音」とは、本人が主に目的として聞きたい音以外の、周辺の音。周辺の雑音のケースもあれば、心地のいいBGMだったり、密かに聞こえてくる人の会話だったり、動物たちの鳴き声だったり。街を歩いていても、お店の呼び込みや、隣を歩く人の会話、車やバイクの騒音。ときには、緊急を要する放送だったりすることもあるでしょう。要するに、「環境音」とは、そのときの目的には直接的には必要のない、周辺の情報です。

 

広告に当てはめてみるとどうか?

これを、広告に当てはめて考えてみましょう。最近デジタルマーケティング界隈では、個人情報の観点から、cookie(ブラウザに情報を保存する仕組みのひとつ)の規制が話題になっています。規制により、WEBサイトを閲覧した人を追跡して広告を打つことがしにくくなるのです。行動ターゲティング広告の1つであり、よく活用されてきた広告手法です。

 

[図表1]ターゲティング広告
(出所:YRK and 事業変革のヒントが見つかる Re/BRANDING magazine コラム)

 

日々の生活でも、関連性の低い広告があまりにもしつこく出てくると、ブロックしませんか? 筆者も、ブランディングにお仕事で関わるため、担当したお客様のマーケットを検索してみると、その度、調べた仕事関係の業界の広告に囲まれることもしばしば。実は、普段の生活には関係のない広告ということもあります。皆様もご経験があるのではないでしょうか。

YouTubeやリモートワークで「環境音」に触れる機会が減少

加えて、若年世代はTVもあまり見ません。見たとしてもお気に入りの番組だけだったり、録画などで自分の好きな時間に見ることが増えました。するとTVCM(新商品や新サービスの情報)に触れることも減り、新商品の情報などを意外と知らない場合もあります。

 

また、若い層に限らず、世代問わず「YouTube」などを見る人が増えたいま、必要のない、いわば「環境音」のような情報に触れる機会が少しずつ減っています。好きな志向性のものだけが、AIによりレコメンドされることはもはや当たり前になり、登録したチャンネルや、フォローした人の特定の情報だけを見ることにも慣れてきました。

 

昔でいうテレビのチャンネルザッピングや、雑誌の飛ばし読みも少なくなり、必要のない情報はさらにシャットアウト。加えて「リモートワーク」では、ちょっとした休憩時間の雑談や、隣の会議室の会話が聞こえてくることもなくなりました。職場での「環境音」にあたるものさえも減ってきています。

 

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