COVID-19により加速したオンラインファースト化
COVID-19によって経済的なダメージを被った業界は多く、ビジネスの在り方そのものや社員の働き方を考え直し、事業モデルの転換を見据えたDXの動きは今後ますます増えていくと予想されます。
一方で、一部の企業はCOVID-19以前からDXへの関心が高く、自社の競争力を高めるために積極的にDXに取り組んでいました。
近年、DXに関心が高まっているひとつの大きな要因として、B to C領域においてもB to B領域においても、企業と顧客のあらゆる接点のオンラインファースト化が進んでいることが挙げられます。
つまり、企業や商品/サービスの認知から、興味を持ち理解を深め、実際に購入(採用)に至るまで、また継続的な利用や周囲への口コミ/共有といった一連の流れのなかで、オンライン上のやり取りやデジタルを活用したブランド体験が急速に増えています。そこへCOVID-19が追い打ちをかけ、さらにオンラインファースト化が加速したといえます。
B to B市場でも加速するDX
B to B市場におけるオンラインファースト化の話をすると、有名なところでは2012年に発表された調査データ(シリウス・ディシジョンズ調べ)ですが、情報収集から意思決定までの購買プロセスのうち、前半の67%は営業担当者が接触する前に終わっているというものがあります。
また、B to B向けサービスの認知経路の5割以上がWeb検索をきっかけにしているとも言われています。B to C市場と同じく、こうした傾向はますます顕著になると予想され、これからの時代に合った情報発信が必要だといえます。
DXへの取り組みと成果
では具体的にB to B企業が取り組むべきDX施策とは、どのようなものがあるでしょうか。一例を紹介していきます。
■マーケティング強化施策
①オウンドメディア(自社サイト)のリニューアル
②SEOによる検索順位改善
③コラム、ホワイトペーパー等のコンテンツマーケ強化
④セミナー(ウェビナー)、相談会の実施増
⑤Web広告やSNS運用での集客強化
⑥マーケティングオートメーション(MA)ツールの活用
⑦メールマガジンの継続配信
■セールス強化施策
①インサイドセールス部隊の立上げ
②セールススキームの見直し
③SFAツールの活用
④名刺管理ツールの活用
⑤セールスアクションの定量/定性分析
⑥商談分析によるマーケティング施策の改善
こうして挙げると施策の羅列に見えるかもしれませんが、DXを進めるうえで1番重要視すべきは、マーケティング施策とセールス施策の統合化です。
「見込み客の獲得・育成」を目的とするマーケティング部隊と「見込み客の顧客化(クロージング)」を目的とするセールス部隊が連携できずに苦心するケースが多くみられます。
しかし、お客様視点で考えてみれば、お客様が商品/サービスを検索・認知いただいてから、興味関心を持ち、比較検討を経て最終的に購入(採用)いただくまでの一連のプロセスを、いかにストレスなく行っていただけるかがB to B企業の目指すべきことです。これを実現させるにはマーケティングとセールスの統合化が必須となります。
では、どのようにすればマーケティングとセールスの統合化が進むのか? そのためには以下のような作業が必要になります。
これらの取り組みを徹底していくことは決して簡単なことではありませんが、マーケティング活動とセールス活動を統合し、良質な顧客体験を生み出すことで新しいデアイとキズナを作り続けるためには決して避けては通れません。
DXにゴールはない
しかし、市場やお客様は常に変化をしています。お客様の求める情報やタイミング、提供方法は目まぐるしく変化します。マーケティング施策においても数ヵ月の正攻法が通用しないということも多々あります。瞬間的な最適解はあっても、永続的で絶対的な正解はありません。
そうした事実を受け入れ、高度なレベルでの統合化を目指しながらも、「変化に気づきやすい」「臨機応変に対応しやすい」仕組みにする必要があるのです。
橋本 航太
株式会社 YRK and
CDO
DXコンサルティング事業統括
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