過払い金請求の判断に迷った場合の対処法は?
借金を返済した過去があっても、自分の場合が過払い金請求にあたるかどうか判断するのは難しい場合もあるでしょう。
ここでは、過払い金請求の判断に迷った場合の対処法について解説します。
過払い金請求の対象となるケース
過払い金請求の対象となるポイントには、以下の2点が挙げられます。
• カード会社や消費者金融などから2008年よりも前に借り入れをした
• 完済後10年を過ぎていない
まず、利息制限法の法改正が施行される以前の契約でしか過払い金は発生しません。法改正後に上限金利を超えた利息を設定すると、刑事罰や行政処分の対象となるからです。
また、上限金利を超えた利息を支払い、完済してから10年以内である点も重要です。完済後10年以上が経過している場合は時効が成立するため、過払い利息を請求できなくなってしまいます。これは「消滅時効」と呼ばれるもので、10年が経過することで「過払い金の返還を請求する権利」が消滅することを意味します。
2008年6月よりも前の契約となると、2023年6月時点で約16年が経過しているため「昔の借金だから時効なのでは」と考えがちです。
しかし、時効の起算日は「最終取引日」となる点も重要です。
完済から10年以上経過しても過払い金請求できるケースがある
完済後すぐに新たな借り入れを行った場合、連続した取引とみなされる可能性があります。1度目の借り入れを完済して10年以上が経過していても、すぐに行った次の借り入れの返済が終わった日から10年以内であれば、合算して過払い金の請求ができる場合もあるのです。
完済してから1年後に再び借り入れを行った場合は個別の取引とみなされる場合もありますが、諦めずに専門家へ相談し、確認してみるとよいでしょう。
過払い金請求の対象とならないケース
上記の2点に該当する場合でも、以下のようなケースでは過払い金請求の対象とならない可能性があります。
銀行や公的機関からの貸し付け
法改正が施行される2010年より前の借り入れであっても、住宅ローンや自動車ローン、メガバンクなどの大手銀行や日本政策金融公庫、奨学金などの各種貸し付けについては、そもそも上限金利を上回ることがない数パーセントや1パーセント以下程度に低く設定されているため、過払い請求の対象とはならないと考えてよいでしょう。