(※写真はイメージです/PIXTA)

「贈与税」は贈与者の贈り物を受贈者が受け取ったときに発生する税金です。贈与税は税負担の公平性を図ったものですが、非課税制度や控除制度によって、課せられない場合もあります。本稿では、贈与税の節税対策としての制度や制度利用における注意点について解説します。

贈与税とは

贈与者の贈り物を受贈者が受け取ったときに発生する税金を「贈与税」と呼びます。この贈与税が課せられるのには、次のような理由があります。

 

・課税せずに自由な贈与を許すと、贈与者の中に相続税を意図的に回避しようとする人が増加するおそれがある

・贈与を相続税を払いたくないがための抜け道にすると、税負担の公平性を図れなくなる

 

そのため、一定の贈与額の範囲内では贈与税がかからず、その範囲を超えた場合、しっかりと課税される仕組みがとられているのです。

贈与税が発生する金額

受贈者に贈与したからといって、全ての贈与物に贈与税が課せられるわけではありません。基本的に受贈者1人の場合、毎年110万円以内に収まれば贈与税は非課税です(これを暦年贈与という)。

 

つまり、贈与者はいくらでも贈与できますが、受贈者は受け取った贈与額が110万円を超えると、課税対象となってしまいます。

 

そのため、贈与する側も受贈者が課税されないよう、贈与額を毎年110万円の範囲内で贈るように配慮する必要があります。

贈与の「手渡し」は課税対象になるのか…課せられるペナルティ

贈与の方法は、受贈者への手渡しや口座への送金などいろいろありますが全て課税対象です。1年間に110万円を超えた贈与の場合には、どのような方法で受け取ったとしても納税しなければいけません。

 

納税しないと次のようなペナルティが適用されるおそれもあります。

 

税金が上乗せされるペナルティ

贈与税は、贈与を受けた人が原則として贈与された年の翌年の2月1日〜3月15日までに申告します。

 

納税が遅れた場合の他、納税を隠ぺいしようと画策した場合、次のように税金が上乗せされてしまいます。

 

 

刑事罰を受ける可能性も

不正行為や正当な理由がないにもかかわらず贈与税を申告・納付しなかった場合、次の刑事罰を受けるおそれもあります。

 

そもそも贈与税が非課税となるケースもある?

主に次のような贈与は非課税です。

 

・扶養されている家族(親等)から生活費・教育費に使う仕送りを受け取った

・親族や友人・知人からお歳暮・お中元、お年玉や入院のお見舞いをもらったり、葬儀の際の香典・花輪代を受け取ったりした

・贈与税の非課税制度を利用した

 

ただし、常識的な生活費・教育費の仕送りの範疇を超えている多額の贈与(数百万・数千万円単位の資金贈与等)や葬儀の香典の名目で多額の贈与が行われれば、やはり贈与税の対象となってしまいます。

 

また、贈与税の非課税制度はそれぞれ条件が設定され、制度の申請をすれば必ず認められるわけではないことに注意しましょう。

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