「贈与税」は贈与者の贈り物を受贈者が受け取ったときに発生する税金です。贈与税は税負担の公平性を図ったものですが、非課税制度や控除制度によって、課せられない場合もあります。本稿では、贈与税の節税対策としての制度や制度利用における注意点について解説します。
節税対策における注意点とは
受贈者の贈与税負担が軽減されるように様々な控除制度を利用できます。しかし、それぞれ控除制度の適用される期間・条件が設定されているので、諸条件をよく確認する必要があります。
その点、暦年贈与ならば受贈者は誰でもよく、1年間で110万円を超えない贈与ならば非課税なので便利です。しかし、次の2点に注意しましょう。
計画的な贈与は控える
計画的な贈与は「あらかじめ多額の贈与を決めていたにもかかわらずわざと分割して受贈者に与えた」ということを税務署から疑われてしまう可能性があります。例えば毎年、同じ時期に同じ金額を贈与する場合が該当します。
このように疑われた場合、1年間に110万円までの非課税枠を越えた贈与とみなされ、贈与税が発生するおそれもあるのです。
疑われないようにするため、次のような方法を検討しましょう。
・贈与する金額を毎年変更
・贈与する時期を毎年変更
・途中で贈与しない年をはさむ
相続開始前3年以内の贈与は持ち戻し対象
暦年贈与でコツコツ受贈者に贈与し、贈与者の財産を減らしていけば、相続発生時に相続人の相続税の負担軽減が可能です。
しかし、贈与者が亡くなった場合、相続開始前3年以内の贈与は持ち戻し(相続税の課税対象)となります。暦年贈与で相続税対策を行いたいなら、なるべく早く贈与者が元気なうちから贈与を進めていきましょう。
株式会社サステナブルスタイル
代表取締役
株式会社サステナブルスタイル代表。遺品整理の現場で残された家族の姿をたくさん見てきた経験から、明らかに「円満なご家族」と「不穏な空気のご家族」に分かれることに気がつき「円満な相続」を迎えるために何ができるだろう、と考えたことをきっかけに、2022年8月10日、23篇に及ぶ相続に関する実話を紹介する本「もう会えないとわかっていたなら」を出版。Amazonの日本文学(日記・書簡)カテゴリで1位を獲得。同書籍の抜粋転載記事は、Yahoo!ニュースのライフカテゴリでアクセス数1位を記録。
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