(※写真はイメージです/PIXTA)

配偶者に離婚歴があり、前妻(前夫)との間に子どもがいたとしても、自分とはまったく関わりがないというケースがほとんどでしょう。ただ、相続においては「関わりがないから」といって無視することはできません。ベリーベスト法律事務所の代表・萩原達也弁護士が、一度も会ったことのない“亡き夫の前妻の子”から、突然「父の財産を相続したい」と連絡がきたケースを例に、対処法を解説します。

離婚しても親子関係は切れない?子どもの相続権

愛する夫が他界。悲しみに打ちひしがれているときに、思わず「あなた、誰?」と言ってしまうような、一度も会ったことのない「夫の前妻の子ども」から、いきなり「お父さんの遺産を相続したい」と連絡が来た場合、突然のことで受け入れられない人も多いでしょう。

 

そもそも、前妻の子どもに遺産を相続する権利があるのでしょうか。

 

子どもの相続権と相続順位

遺産を相続できる権利を有している人のことを「法定相続人」といいます。法定相続人は、民法によって、明確に順位と範囲が定められています。

 

【相続順位】

・配偶者……常に相続人になる

・子ども……第1順位の相続人

・両親など直系尊属……第2順位の相続人

・兄弟姉妹……第3順位の相続人

 

ここでいう「子ども」とは、実子だけでなく養子、認知された子も含まれます。

 

また、離婚をしても、親子の縁を切ることはできません。たとえ親権者になることができず、何年も疎遠であったとしても、相続権は失われませんので、前妻の子どもにも相続権が認められます。

 

再婚相手との間に子どもがいた場合の相続順位と相続割合

たとえば、前妻との間に子どもが1人いて、再婚相手との間にも子どもが1人生まれた場合には、どちらの子どもも父親との関係では相続人になります。この場合の相続人は次の3人です。

 

・再婚相手(配偶者)

・再婚相手との間の子ども

・前妻との間の子ども

 

再婚相手は、配偶者として2分の1の割合の法定相続分があり、子どもたちは残りの2分の1を分け合うことになります。

 

では、子どもらの相続割合はどのようになるのでしょうか。現在の民法は、再婚相手の子どもと、前妻の子どもで法定相続分の割合を区別していません。つまり、等しい割合で遺産を相続する権利があります。

 

前述の例で考えると、再婚相手の子どもの法定相続分が4分の1、前妻との間の子どもの法定相続分が4分の1と均等に相続することになります。

 

離婚により夫婦の縁は切れる

親子の関係は簡単に切ることはできませんが、夫婦の関係はそうではありません。離婚届を提出することで、夫婦の関係は切れてしまいます。

 

離婚後は、夫婦は他人同士になりますので、当然のことながら遺産を相続する権利はありません。

 

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※本記事は、公開日時点の法律をもとに執筆しています。

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