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社長室の廃止で会話が3倍になった
O社では、当初、事務所の奥隅に、パーテーションで仕切られた社長室がありました。当時このO社では、全社を挙げて整理・整頓の活動に取り組んでおり、いろいろな場所で不要なものを捨てているところでした。当然、抵抗や反発が起きます。各デスク間を仕切っているパーテーションを捨てるにしても、一部の社員が反対して、なかなか前に進みません。
そんな中で、社長自身が四方を壁に囲まれた社長室に籠っているような状況では、社員たちも右にならえになってしまいます。
そこで、社長室を廃して、大部屋にすることを提案しました。しかし社長も、なかなか首を縦に振りません。数ヵ月間を要しましたが、ようやく社長が納得してくれて、パーテーションを撤去して社長室を解体してくれました。これによって、社長のデスクと社員のデスクが遮るものなく、ひとつの空間になりました。
社長と社員が気軽に会話できるようになり、社内のコミュニケーションが格段に向上しました。以前に比べて会話の量は、3倍くらいになったのではないか、とのことです。
トップの姿勢こそが会社を変える
O社で整理整頓の取り組みを始める前、私が社長に、なぜ社長室を壁で仕切っているのか問うてみたところ、社長は、「社員に見られたら困る書類があるから」とか、「銀行さんが急に来られても困るので」とおっしゃっていました。しかし、どれも、あまり納得のいく理由ではありません。おそらく、単純に社長として籠るスペースが欲しいのだろうな、と感じました。
そんな社長が、思い切って社長室の壁を撤去してくれたのです。実は、ある社員が後日私にそっと打ち明けてくれたことなのですが、社長室の解体こそが、同社の整理・整頓の取り組みを加速させるきっかけとなった、というのです。
つまり、壁に囲われることに固執していた社長が、その執着を断ち切ったわけですから、社員もいつまでも抵抗しているわけにはいきません。トップがそこまで本気ならば、我われもやるしかない、ということで、デスク間を仕切っていたパーテーションを撤去したり、書棚の扉を取り払ったり、という活動が一気に進んだということなのです。
「合宿」の勧め
一方で、経営者たるもの、ときには1人で籠って、じっくりと社業の未来について考え、経営計画を練ることも必要であることには、異論はありません。そういうときのために、別室で、籠れる部屋を用意しておいてもいいでしょう。
ただ、むしろそうした場合には会社を飛び出して、「合宿」することをお勧めします。社内にいては、どちらにしろ、ざわざわとして落ち着きません。ですから、どこか閑静な落ち着いた場所、たとえばひなびた温泉宿などに1週間くらい籠り、じっくりと構想を練ったり、経営計画書を書き上げたりするのです。これを、年に数回行うことで、社内に別室を設ける必要もなくなります。
〈まとめ〉
社長室を捨てれば、社員とのコミュニケーションが良くなり、社長が前線に立つことで、社内の動きやお客様の動きに敏感になる。
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