3―おわりに~将来を担う世代の就業環境改善の延長にはパワーカップルの姿も
本稿ではニッセイ基礎研究所の調査に基づき、パワーカップルの生活基盤の状況を見たところ、「小学生の子を持つ30・40代」「DINKSの40・50代」「独立子を持つ50・60代」「子ども2人以上」「大企業勤務の正規雇用者夫婦」「ややマンション志向」「4割は4千万円以上の金融資産保有」など、マーケティングにおけるペルソナを設定可能な条件がいくつか見えてきた。
容易に想起できるものも多いだろうが、一般的な共働き世帯と比べて子どもの数が多いことやマンション志向がさほど高いわけではないことを意外に感じたり、役員である妻が約1割存在することや金融資産の金額などに、あらためてパワーを感じた方も多いのではないだろうか。
生活や働き方の選択肢が増す中で、誰もが共働きやパワーカップルを目指す必要はないだろう。一方でパワーカップルとなるにしても、女性が出産・子育て期も正規雇用の仕事を継続できるような環境整備や若い世代の経済基盤の安定化等が課題であり、実は、現在、将来を担う世代の就業環境の改善を図る上での課題と重なる。次稿では、パワーカップルの消費について捉える予定だ。