パワーカップル世帯の動向(2)生活基盤の状況-小学生の子を持つ30・40代、DINKS40・50代、大企業勤務夫婦、4割が金融資産4千万円以上

パワーカップル世帯の動向(2)生活基盤の状況-小学生の子を持つ30・40代、DINKS40・50代、大企業勤務夫婦、4割が金融資産4千万円以上
(写真はイメージです/PIXTA)

パワーカップルをめざす場合、女性が出産・子育て期を経ても正規雇用の仕事を続けられるような環境整備が課題になりますが、これは将来世代の就業環境の改善を図る上での課題とも重なります。本稿ではニッセイ基礎研究所の久我尚子氏が、パワーカップル世帯の就業状況や金融資産の状況、居住形態などの動向について解説します。

3―おわりに~将来を担う世代の就業環境改善の延長にはパワーカップルの姿も

本稿ではニッセイ基礎研究所の調査に基づき、パワーカップルの生活基盤の状況を見たところ、「小学生の子を持つ30・40代」「DINKSの40・50代」「独立子を持つ50・60代」「子ども2人以上」「大企業勤務の正規雇用者夫婦」「ややマンション志向」「4割は4千万円以上の金融資産保有」など、マーケティングにおけるペルソナを設定可能な条件がいくつか見えてきた。

 

容易に想起できるものも多いだろうが、一般的な共働き世帯と比べて子どもの数が多いことやマンション志向がさほど高いわけではないことを意外に感じたり、役員である妻が約1割存在することや金融資産の金額などに、あらためてパワーを感じた方も多いのではないだろうか。
 

生活や働き方の選択肢が増す中で、誰もが共働きやパワーカップルを目指す必要はないだろう。一方でパワーカップルとなるにしても、女性が出産・子育て期も正規雇用の仕事を継続できるような環境整備や若い世代の経済基盤の安定化等が課題であり、実は、現在、将来を担う世代の就業環境の改善を図る上での課題と重なる。次稿では、パワーカップルの消費について捉える予定だ。

※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2023年7月27日に公開したレポートを転載したものです。

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