(写真はイメージです/PIXTA)

消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は、7ヵ月連続で前年比プラスの上昇率となりました。今後、広範な品目の価格上昇を通じて、消費者物価が持続的に上昇する環境に変化するのでしょうか。本稿ではニッセイ基礎研究所の山下大輔氏が、日本の消費者物価の今後の動向について考えます。

1―物価の現状

まず、現在の物価上昇を振り返ると、2021年に入り、世界経済の回復に伴う需要増加で、原油をはじめとする資源価格が高騰し始めた。

 

資源の多くを輸入に頼る日本にとって、資源価格の高騰は輸入物価を上昇させる。輸入物価は21年3月以降前年比で上昇を続け、8月以降は30%を超える前年比上昇率となった。前年比の上昇率が100%前後で推移する石油・石炭・天然ガスだけでなく、木材や金属、食品が大きく上昇している。
 

また、輸入資源を用いて生産される財の生産コストも増加する。輸入物価の上昇を受けて、国内企業物価も同様に21年3月以降は前年比で上昇し、22年4月には前年比で10.0%の上昇となった。4月の前年比上昇率は1980年12月(10.4%)以来の高水準であった。

 

 

消費者が直面する財・サービスの物価である消費者物価も、21年に入り、エネルギー価格の上昇に伴い、上昇に転じた。消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は21年9月以降7か月連続で前年から上昇し、22年4月には前年比で2.1%上昇となった。

 

なお、上昇率の数字自体は4月に急上昇したが、21年度中の前年比上昇率には、携帯電話通信料の大幅引き下げの影響が含まれていた。

 

 

ロシアによるウクライナへの侵攻により、原油価格はさらに上昇している。また、アメリカなどの他国の金融緩和の縮小や利上げによる金利差の拡大などから、為替レートは円安に進んでおり、円建ての輸入物価を更に上昇させる要因になる。
 

 

今後も輸入物価や企業物価の上昇は見込まれるところだが、消費者物価の上昇はエネルギー以外の広範な品目に拡大し、持続的な物価上昇が実現するのだろうか。

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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2023年7月26日に公開したレポートを転載したものです。

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