(※写真はイメージです/PIXTA)

X(旧Twitter)など、インターネット上での誹謗中傷被害が後を絶ちません。もし誹謗中傷を受け、相手を名誉棄損罪で訴えたい場合、どのような条件であれば罪に問うことができるのでしょうか? 本記事では、伏字・イニシャルで相手に誹謗中傷されたケースを例に名誉毀損で相手を訴えるための条件について、Authense法律事務所の弁護士が詳しく解説します。

名誉毀損で刑事告訴をするための要件

名誉毀損の被害にあった場合、名誉棄損罪が成立するための要件は、次のとおりです。

 

「公然と」であること

名誉毀損罪の1つ目の成立要件は、「公然と」行われたものであることです。たとえば、SNSへの投稿や、YouTubeやブログへのコメント、インターネット上の掲示板への書き込みなどは、これに該当する可能性が高いでしょう。

 

一方、通常他者が見ることのない1対1でのメールやダイレクトメール(DM)で被害者に対して直接なされた発言は「公然と」とはいえないため、原則として名誉毀損罪は成立しません。

 

「事実を摘示」したこと

名誉毀損罪の成立要件の2つ目は、「事実を摘示」したことです。たとえば、「〇山A男はバカだ」という発言は抽象的であり、「事実を摘示」したとはいえないため、名誉毀損罪が成立する可能性は低いでしょう(ただし、侮辱罪などの対象となる可能性はあります)。

 

一方、「〇山A男は違法薬物をやっている」という発言は「事実を摘示」しており、この要件を満たす可能性があります。なお、ここでいう「事実」とは「本当のこと」という意味ではなく、虚偽の内容であっても構いません。

 

「人の名誉を毀損」したこと

名誉毀損罪が成立するためには、「人の名誉を毀損」したことが必要です。ここでいう「人」には自然人のみならず法人も含まれると解されるため、会社などを対象とした発言であっても、名誉毀損罪が成立することになります。

 

そして、「名誉を毀損」とは、相手の社会的評価を低下させることです。そのため、仮に発言の対象とされた被害者がいくら傷付いたとしても、社会的評価が低下する内容ではないと判断されれば、相手を罪に問うことはできません。

 

同定可能性があること

名誉毀損罪が成立するためには、同定可能性が必要であるとされています。同定可能性とは、その投稿が誰を指しているのかわかることを意味します。なお、これは「〇田一郎」など一部を伏せ字にしたからといって、同定可能性がないといえるわけではありません。仮に伏せ字やイニシャルであっても、見た人が誰のことであるの判別できるような場合には、同定可能性があると判断される可能性があります。

 

違法性阻却事由に該当しないこと

ここまでで挙げた要件をすべて満たす場合であっても、「違法性阻却事由」に該当する場合には、犯罪は成立しません(同法230条の2)。名誉毀損罪における違法性阻却事由は、次のとおりです。

 

1. 公共の利害に関する事実に係るものであること

 

2. その目的が専ら公益を図ることにあったと認められること

 

3. 真実であることの証明があったこと

 

これらをすべて満たした場合には、名誉毀損罪は成立しません。

 

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