ケース②方向性が合わなくなった古参社員
これは正対して話すしかありません。合わなければ辞めてもらうし、場合によっては勝手に辞めていくということもあります。
正対して話すというのはどういうことかというと、まず社長自ら「うちの会社はこのようにこれからしていきたい」ということを改めて伝えるということです。「創業メンバーだから、お互いわかっているだろう」と思うのですが、これが伝わっていないからこういう問題が出てきているわけです。そのため、そこを解決するために本人と正対して話す必要があるのです。
それでお互い合意できればなにも問題がありません。しかし、そこに相違があるのであれば、自主的に辞めてもらう、もしくは勝手に辞めていくという形で解決してくのが最善だと考えられます。
ケース③改革に反対する番頭やベテラン社員
これも、社長が覚悟を決め、正対して話すしかありません。それで「わかりました。協力します」ということであれば問題はありませんが、合意できなかった場合、創業メンバーとは違って辞めるということはなかなか難しくなります。年齢も相当高くなっているわけですし、転職市場において不利になってしまうからです。
改革の震源地にあえて入れる
辞めるという選択肢がないということであれば、改革の震源地に入れる、つまり改革のプロジェクトメンバーに入れて、強制的に活躍してもらうというパターンを取ります。
こういう人は非常に声が大きくて、仕事もできるので、ほかのメンバーからの信頼も厚いわけです。ですから、改革の震源地に入れて協力を仰ぐことで、なんだかんだと文句は言っても活躍してもらえる状態にするのです。
ケース④地位と給与だけが高い番頭やベテラン社員
2代目、3代目社長の悩みとして、これが結構多いと思います。先ほどの原則に則って考えると、地位と給与が高くて仕事ができない、さらに人徳がないという場合に非常に困ります。これは、基本的にお金で報いるという方向性になります。ボーナスや退職金などを多くしたうえで、次世代メンバーを彼らの上位へと昇格させるということになります。
こうした人たちは、残念ながらこれまでの経験や実績によって、地位が高いのです。しかも先代社長が決めたことですから、2代目、3代目社長にとっては降格させるという選択肢はなかなか難しいのです。
そのため、降格させるのではなく、ほかのメンバーを彼らのより上位、もしくは同じぐらいのランクに昇格させるという方向で組織づくりをしていくわけです。この点については同意をしてもらわないといけないので、やはり社長が面と向かって話す必要があります。
人徳がある古参社員にはチームを任せる
一方の、地位と給与が高くて能力はないけれども、人徳があるという人の場合、この人はチームや組織をまとめるために非常に貢献してくれるケースがあります。あるいは社長に対していいアドバイスを提供してくれることもあります。
ですから、先ほどの創業メンバーの場合と同じで、優れたチームを作ってあげて、彼らがパフォーマンスを出せるようにしてあげるということになります。
大切なのは原則に基づく仕組み
重要なのは、個別の悩みへの対応ではなく原則を定めることです。その原則に基づいて仕組みをつくっていくことが大切なのです。
清水 直樹
仕組み経営株式会社
代表取締役
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