(※写真はイメージです/PIXTA)

老後の病気として代表的な「がん」。再発・転移などで長くがん治療を続けていると、どこかのタイミングで「もうこれ以上治療手段がない」と主治医からつらい宣告をされることがあります。そんなとき、自由診療による「先端医療」という選択肢が考えられるかもしれません。しかし、先端医療を選ぶ際には知っておくべき注意点があると、株式会社ライフヴィジョン代表取締役のCFP谷藤淳一氏はいいます。本記事では、塚田京子さん(仮名)の事例とともに、がん治療から老後破産を招かないための対策を、株式会社ライフヴィジョン代表取締役のCFP谷藤淳一氏が解説します。

年金暮らしの60代夫婦…「妻のがん治療」による家計への影響

東京都江東区在住、年金生活者で67歳の塚田京子さん(仮名)。ひとつ年上の夫と長女、長男の4人家族です。

 

夫は大手食品メーカーに約40年勤め、60歳で一度定年退職。その後継続雇用の道を選び65歳で引退。塚田さんは現役時代、夫の扶養の範囲内でスーパーのレジ打ちのパートなどで、家計を支えてきました。2人の子供はともに大学まで卒業し、就職。現在は2人とも結婚して都内近郊に暮らしています。

 

2人の子供の学費や住宅ローンの支払いを終え、夫の退職時に3,500万円の貯蓄も確保。65歳の年金生活開始時、夫婦の老齢年金は毎月あたり手取りで25万円ほど。家計的に特に不安はない状況でした。

 

唯一の懸念材料が60歳のときに発覚し、ここまで治療を続けてきた塚田さんの乳がん。最初は早期で発見し手術を受けてがんは無事に除去、その後再発予防の投薬治療を続けてきましたが、64歳のときにがんは肺へ転移。その後も骨や肝臓へと次々に転移が見つかり、その都度放射線治療や抗がん剤治療など主治医から提案された「標準治療」といわれる治療を受けてきました。

 

当初はお金の心配が大きかったのですが、治療費は累計で200万円程と、そこまで貯蓄を取り崩すことなく済んでいました。

 

治療を続けながらもなんとか穏やかに生活できていましたが、2ヵ月前に体調が悪化したため主治医に相談。いったん入院し、点滴治療などを受けて検査を行いましたが、主治医からは思いもよらない言葉が――。

 

主治医による「治療終了」の非情な宣告

「できる治療はやり尽くしました。もうここでできる治療はありません。退院して在宅医療などへ移行してください」

 

主治医から突然の治療終了宣告。塚田さん夫妻は慌てて引き続き治療をしてもらいたいと主治医にお願いしましたが、患者さんへ提供すべき標準治療はほかにない旨を伝えられ、茫然として病院を後にしました。

 

それまで約7年間、塚田さん夫妻に親身に接してくれて、信頼していた主治医から突然見捨てられ、大変悲しい思いになりました。しかも体調が悪くなったものの、まだ痛みがひどくて寝たきり状態というわけではなく、基本的には日常生活も送れる状態なのに、「もう治療がない」という言葉。

 

失意に陥った塚田さん夫妻でしたが、ほかになにかよい治療がないか探してみることにしました。

 

 

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