2023年6月のADPリポート受けた「米・金利急騰」が「ネガティブな作用」とはいえないワケ【ストラテジストが解説】

2023年6月のADPリポート受けた「米・金利急騰」が「ネガティブな作用」とはいえないワケ【ストラテジストが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、マネックス証券株式会社が2023年7月7日に公開したレポートを転載したものです。

日経平均プット・オプション建玉増加が示すもの

もうひとつ、「?」と思える話がある。最近、日経平均・指数オプション市場で行使価格3万円のプット・オプションの建玉が急増していることを受けて、3万円割れに備える不安心理が台頭していることの表れであるという指摘が見られるが、それも事象の片側しかとらえていない見方である。

 

プット・オプションというのは「売る権利」だから、下落に備えたリスクヘッジ、保険として買われることが多い。行使価格3万円のプット・オプションの建玉が急増しているのは、確かにそうしたニーズが反映されての結果だろう。

 

しかし、これも百万回くらい、言ったり書いたりしていることだが、商いが成立するのは売りと買いが見合うからである。プットを買いたい人が大勢いて、ある行使価格の建玉が増えるということは、当たり前だが、売りたい人も同じくらい大勢いるということである。そうでなければ商いが成立しない。

 

行使価格3万円のプット・オプションを買う人は、日経平均が3万円を割る場合に備えて保険をかけているのかもしれない。そういう人が大勢いるに違いない。では行使価格3万円のプット・オプションを売る人はどういう人か? 日経平均が3万円を割ることなどないというシナリオに賭けて、弱気筋の保険を引き受けようという人だ。その人たちも、また大勢いるのだということを見逃してはならない。

 

There are 3 sides to every story. Yours, mine and the truth.

(どんな話にも3つの側面がある。あなたのもの、私のもの、そして真実)

 

 

広木 隆

マネックス証券株式会社

チーフ・ストラテジスト 執行役員

 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録